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附属書I

予防的措置に関するEC決定のための法的およびその他の基礎

法律文

参照1
 1992年のマーストリヒト条約によって既に導入済の規定を盛り込んだEC条約、具体的には同条約第174条は、以下のように述べている。

“2: 環境に関する共同体の政策は、共同体域内のさまざまな地域における状況の多様性を考慮しながら、高度の保護を目指すものとする。同政策は、予防原則、ならびに、予防的措置を講じるべきであること、環境危害は発生源において優先して是正すべきであること、および汚染発生者が費用を負担すべきである…という原則に基づくものとする。
3: 環境政策を立案するにあたって、欧州共同体は以下の点を考慮するものとする。

入手可能な科学的および技術的データ

措置を講じる場合と講じない場合の潜在的な便益および費用”

参照2
 EC条約第6条は、“環境保護に関する要求事項は、特に持続可能な開発を促進するために、第3条に規定する欧州共同体の政策および活動の定義と実施に組み込まれなければならない”と規定している。

参照3
 したがって、EC条約第95条(3)は次のように規定する。“委員会は第1項に示す、健康、安全、環境保護および消費者保護に関する提案において、特に科学的事実に基づく新たな進歩を考慮しながら、高度の保護を基礎として採用する。欧州議会および欧州理事会もまた、それぞれの権限内でこの目標を達成するよう努力する”

参照4
 EC条約第152条第1項は次のように規定する。“欧州共同体のすべての政策および活動の定義と実施にあたって、人の健康の高度の保護が保証されなければならない”


判例法
参照5
 欧州司法裁判所は、牛海綿状脳症(BSE)の感染リスクを低下させるために英国からの牛肉の輸出を禁じた欧州委員会の決定の有効性に対する判決(1998年5月5日付、訴訟番号C-157/96 およびC-180/96に対する判決)の中で、次のように述べている。
 “人の健康に対するリスクの存在または範囲に関する不確実性がある場合、公的機関は、それらのリスクの現実性および深刻性が完全に明らかになるのを待たずに保護措置を講じることができる(根拠63)”。この後の部分は、裁判所の論証過程を具体的に述べている。“この方法はEC条約第130r条(1)によって裏付けられている。それによると、環境に関する欧州共同体の政策は、とりわけ人の健康を守るという目的を追求することである。第130r条(2)では、欧州共同体の政策は、高度の保護を目指し、特に、予防的措置が講じられるべきであるという原則に基礎を置き、環境保護に関する要求事項が他の共同体政策の定義および実施に統合されなければならないと規定している”(根拠64)。

参照6
 消費者の健康の保護に関するもう一つの判決(1998年7月16日の判決、訴訟番号T-199/96)で、第一審裁判所はBSE判決の上記の一節を引用している(根拠66、67参照)。

参照7
 最近、第一審裁判所長は1999年6月30日付けの命令(訴訟番号T-70/99)において、上記の判決に表明された立場を確認した。この判決は予防原則の明示的参照を含み、“公衆衛生の保護に関連する要求事項に対し、経済的配慮よりも重きを置くべきであることに疑いの余地はない”と断言していることに注目すべきである。


政策の方向付け
参照8
 欧州委員会は、消費者の健康と食品の安全性に関する1997年4月30日付けのコミュニケーション文書(COM(97) 183 final)において、“科学的根拠が不十分な場合または何らかの不確実性が存在する場合には、欧州委員会のリスクアナリシスは予防原則によって導かれる”と述べている。

参照9
 1997年4月30日付けの欧州連合(EU)における食品法の一般原則に関する緑書(COM(97) 176 final)においても、欧州委員会はこの点を繰り返し、以下のように述べている。
 “EC条約は、欧州共同体に、公衆の健康、環境および消費者の高度の保護を維持することに貢献することを要求する。高度の保護および一貫性を確実にするために、保護措置は、リスク評価に基礎を置き、技術的側面、入手可能な最良の科学的証拠、検査用試料採取とテスト方法の有効性を含めた関連するすべてのリスク要因を考慮すべきである。完全なリスク評価が不可能な場合、措置は予防原則に基礎を置くべきである”

参照10
 緑書に関する1998年3月10日付けの決議において、欧州議会は以下のように述べている。
 “欧州食品法は、消費者の健康における予防的保護の原則に基づき、
この分野の政策は、必要ならば予防原則に基づく適切なリスク管理によって補われる科学的リスクアナリシスに基礎を置かなければならないことを強調し、
科学委員会に予防原則に基づく完全な議論を提示するよう要求することによって、欧州共同体食品法に対してWTO機関が持ち出す課題をあらかじめ予測するよう欧州委員会に促す“

参照11
 EEA(欧州経済地域)合同議会委員会は1999年3月16日、EEA における食品の安全性に関する決議を採択した。これに関連して、同決議は、一方では“予防原則の適用の重要性を強調し”(ポイント5)、他方では“食物連鎖に入ることを意図した遺伝子改変生物(GMO)の市場導入申請のアセスメントおよび評価するために、EEA内部の予防的取り組みを最優先で行う必要があることを再確認する”(ポイント13)

参照12
 1999年4月13日、欧州理事会は、“今後、立法のための法案の作成および消費者に関連するその他の活動にあたって予防原則に基礎を置くこと、ならびに、この原則の適用のための明確で効果的なガイドラインを優先して立案することをより強く決意する”よう、欧州委員会に強く要請する決議を採択した。

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