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B. リスク/安全性評価アプローチの改善
83. 環境リスク/安全性評価の経験は多くのOECD加盟国(特にG7/G8の国)ではかなり積まれており、OECDが作成した原則は世界中で広く受け入れられているが、特定領域ではさらに改善が必要である。

B.1. 能力構築
84. 過去何年間かの間にすべてのOECD加盟国は遺伝子操作生物の環境安全性を評価するシステムを構築している。しかし、世界中の全ての国がそうであるわけではない。バイオテクノロジー製品が世界中に栽培されるためには、多くの国でリスク/安全性評価が行われなくてはならず、評価を行うために必要な基盤を欠いている揚合には、能力構築が必要である。このような評価は、とくに、土着の近縁生物、気候、土壌に関する地理的な違いを考慮に入れる必要があろう。遺伝子操作生物に関するリスク/安全性評価の経験をすでに持っている国がこのような基盤整備を手伝うことは、規制調和の目標にとって有益なことであろう。このことはバイオセイフティ議定書においてもバイオセイフティクリアリングハウスのような仕組みの設置を通じて認識されている。バイオセイフティクリアリングハウスは、経験を欠いており国内の枠組みを持っていない国に対して、LMOの輸入等に際して情報に基づく決定を行う能力を与えるであろう。

85. このことは、作物種の「原産地(center of origin)」および生物多様性にとって決定的に重要な問題である。原産地とは作物の野生の先祖が発生したと考えられる場所である。典型的には、このような地域には「野生の先祖となる近縁生物」集団がまだ存在する。加盟国におけるよい例は、メキシコに生育しているトウモロコシの野生近縁生物である「テオシンテ」集団(Zea diploperennis, Z. luxurians, Z. mays subsp. Mexicana, Z.mays subsp.Perviglumis)である。別の例はナタネであり、原産地はいくつかの加盟国内に存在する。これらの植物群の存在する場所は二つつの龍で重要である。第一に、これらの植物群は多くの場合、植物育種家にとって遺伝子資源の採取源である。第二に、その地域で商業作物品種が栽培されると、これらは交雑しうる。しかし、多くの重要な作物についてはOECD加盟国には「原産地」は存在しない。

B.2.新たな科学的及び技術的進歩
86. バイオテクノロジーの多くの新たな応用が進められていることが知られており、将将来は、規制者は、より洗練されたリスク/安全性評価を行わなければならないであろう。ある製品の評価経験が、殆どあるいは全く懸念がないことを示している場合は、何人かの規制者から、資源をより新しいタイプの製品に振り向けるために、既存の環境リスク/安全性評価手順を定式化すべきであるという要求がある。規制者が遺伝子操作生物の安全性問題について判断する能力を高めるためには、評価手順はこのような進歩に容易に対処できるものでなければならない。すでにいくつかの加盟国は対応しているが、とくに、下記のような懸念分野がある。

B.3. リスク/安全性評価とより広範な政策目標との連携
87. リスク/安全性評価の最も重要な側面は、人の健康を確保すること、あるいは環境に対する有害影響を避けるあるいは最小にすることである。しかし、この問題に対応する仕組みができあがった後は、リスク/安全性評価をより広い政策の文脈に置くことが多くの国で重要になるであろう。

88. 例えば農業一般は、農薬、エネルギー、水の使用あるいは生物多様性の消失によって、大気、水資源、景観、植物相、動物相に有害なインパクトを持つ可能性がある(U.K detr,1998)。この理由から、多くの国では生態学的目標と経済的目標のバランスを取り、持続可能な発展を促進するために、農業の環境に対する便益を高め(OECD,1997b)、負の影響を低減するための措置を取ってきた。多くの国は、遺伝子操作生物の利用はこの目標と矛盾せず、あるいはむしろこのような政策を促進するものと考えている。

89. 植物育種家が行う農業特性の評価から、新たな作物品種について多くの知識が得られるが、これは通常、農業や環境に対する潜在的な開接的あるいは長期的影響を評価するには十分ではない。従って、生態学的利点と欠点のバランスを可能にする評価手法を用いることが必要になるであろう。最近の例として、特定のGM作物の環境影響を「ゆりかごから墓場まで」評価する事を試みた、ライフサイクル・アセスメントがある(UBA,1999)。

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