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第12章 提案

放出の規制に関する提案

12.1 遺伝子操作生物(GEOs)の環境への放出に関する法令規制が整備されるべきである(8.1)。

12.2 環境大臣と健康安全委員会(Health and Safety Committee)(HSC)(雇用大臣下の一機関)の両者が放出の決定に関与すべきである(8.4)。

12.3 環境大臣は、放出による環境への影響に対する規制のために、第一義的責任を負うべきである(8.1)。

12.4 遺伝子操作生物の放出の規制は、法令に従って行われるべきである。その法令は、環境保護に関する規制を確立し、国務大臣に放出許可のシステムに関連する権限をもたせる枠組みを備えたものであるべきである。さらに、その法令は、その目的が実験的であるか商業的であるかにかかわらず、ヒトの健康と安全のみならず、環境の保護に関するすべての責任措置をとるために、GEOの放出の全責任を負う義務を課すべきである(8.5)。

12.5 われわれが放出許可と呼ぶ認可は、遺伝子操作生物の放出を実行する場合には事前に必要とされるべきである。最初に取得すべき放出許可を受けずに、またはその許可に付随するあらゆる条件に従わなかった場合は、実質的罰則を伴う違法行為とすべきである(8.6)。

12.6 いかなる放出許可も環境大臣とHSC(許可権者と呼ぶ)が共同で交付すべきである。許可権者は、もし、許可継続が適切でないと判断する理由がある場合には、放出許可を無効、またはその期間を変更する権限を持つべきである(8.6)。

12.7 GEOを環境に放出することを提案する者は誰でも、その意図を許可権者に通知し、関連する生物の詳細と放出の方法を地域の安全評価委員会によって行われた安全評価の結果と合わせて提出するべきである(8.6)。

12.8 放出に対するHSCの認可が許可の形で与えられることに備えて、新しい遺伝子操作規制(Genetic Manipulation Regulation)は、改正されるべきである(8.7)。

12.9 実績に照らして、許可権者が関連するGEOsのクラスやカテゴリーごとに放出免許を発行しても安全であると考える可能性はある。しかしながら、そのような許可であっても、放出を望む個人または組織は、許可権者がその許可の範囲内に該当するかどうかを判断するために提案書の提出を要するとすべきである。免許権者は、たとえその放出がカテゴリーとして免許の対象となっていたとしても、何らかの懸念を生ずる提案に対しては個別の放出免許の適用を命ずる権限を持つべきである(8.8)。

12.10 GEO開発における段階ごとの放出をそれぞれ免許の対象とすべきである。放出生物はそれから使用すること、または製品とすることが提案される可能性もあるが、その段階で免許権者はもう一度評価し、販売、特定の製品としての供給または使用することについて許可の対象とすべきである。もし、その製品に適用される製品規制が他にない場合には、許可権者から直接、許可が発行されるべきである(8.9)。

12.11 他の製品規制が適用する場合、その製品規制当局者は、いかなる遺伝子操作生物の製品、または遺伝子操作生物を含む製品の認可の申請についても、許可権者に通知することを義務付けるべきである。それに対して許可権者はその製品の許可を発行することに同意するかどうか製品規制当局者に通知する。これは、国内で開発された製品と輸入品の両方に適用される。よって、GEOやGEOを原材料とする製品の販売や供給の認可を申請する者は皆、遺伝子操作が行われたことを申請書に記載することが義務付けられるべきである(8.9)。

12.12 環境大臣に以下の権限を新たに与えるべきである。諮問委員会の設置;行動規範の策定公布;放出を許可された個人と組織の登録の管理;一般や他の官庁に対する情報の開示;緊急対応処置、他者に緊急処置を定める義務を課すこと;適切な監視を行う、または他者に行わせる;放出に関する情報の提出の要求;廃棄物の適切な処理の要求、必要であれば放出場所の浄化の要求;設備の検査(立ち入り検査);規制費用の回収(8.10)

12.13 政府は、12.12の提案で挙げた現在はない権限のうちのいくつか、またはすべてを網羅するために、GEOsの放出に関するHSCの権限を拡大すべきであるかどうか検討すべきである(8.10)。

12.14 GEOsの放出の適切な制御における第一要件は、すべての提案された放出が専門家によって徹底的に精密な調査を受けることである。われわれは技術開発の段階で、それぞれ専門家の国家委員会による精密な検査が行われる必要があると考える。このような精密な調査の前に、当該GEOを開発している組織を基盤とした地域委員会は良く検討した提案だけがその後の国の精査を受けるように審査を行うべきである(6.6)。

12.15 環境大臣とHSCは遺伝子操作生物に関する放出免許、または製造許可のそれぞれの申請を専門家委員会に諮問し、その勧告を考慮すべきである。委員会の主な機能はそのような申請を環境保護およびヒトの健康と安全面から評価することである(8.11)。

12.16 現在の遺伝子操作諮問委員会(Advisory Committee on Genetic Manipulation ; ACGM) の国際導入小委員会(International Introduction Sub-Committee)は、ACGMから分離してそれ自体でひとつの委員会として構成されるべきである。委員会は、HSCと環境大臣の両者に助言を行うことを委託されるべきである。われわれはこの委員会を放出委員会(Release Committee)と呼ぶ。(8.11)

12.17 放出委員会( Release Committee)は、ACGMと密接な連携を保つべきである。これは、委員の兼任や共同の事務局を構えることで実現可能であろう(8.12)。

12.18 放出委員会の委員は、遺伝子工学、微生物学、理論または実地生態学や他の関連分野の専門知識を持っているべきである。委員会は大学や他の研究所、産業界、労働者代表で構成されるべきである。遺伝子操作生物の開発や放出に携わった人々は、委員会の委員として除外すべきではないが、利害関係については適切に公表されるべきである。特定の提案の評価が必要な場合には、臨機応変に英国内外から専門家を招聘するべきである。また、関係省庁や地方の環境健康担当官も参加すべきである。(8.13)

12.19 放出委員会は、認可に付随する条件(放出免許の付帯条件)等を含む放出の提案に対する助言に加えて、以下の機能を有するべきである。標準手続きの作成と申請者のガイダンス;放出を分類する適用範囲に関する助言;研究、特に放出関連事項に関する研究の必要性の助言;放出の結果についてのレビュー;関連分野での海外機関との連携;法令や手続きの変更必要性の助言。放出委員会は、その活動、関連事項における進展、得られた教訓等について年次報告書を作成するべきである。委員会の効果的な活動のためにも、十分な資源が提供されるべきである。(8.15)

12.20 環境省暫定導入諮問委員会(Department of Environment’s Interim Advisory Committee; IACI)の機能は放出委員会が引き継ぐこととすべきであり、IACIの存続必要性はない(8.16)。

12.21 環境大臣とHSCは、放出委員会の助言を受け、GEOs放出を認められた者の登録をまとめ、管理するべきである。責任者として登録されていない者が放出試験を行うことは違法行為となる。登録された者は、登録権者に対して、あらゆる放出の際に、直接適切な資格を有する訓練されたスタッフを使用し、彼らに十分な指示を与える責任を持つ。登録者(彼、または彼女)は、放出に携わるすべてのスタッフの名簿を作成し、登録権者の要求があれば提出しなければならない。

12.22 放出試験を行う企業やその他組織の登録についても適切な処置が必要である。登録の基準としては、適切な資格を有する人員の採用、適切な訓練の実施、安全管理者や地域の安全評価委員会の指定などが挙げられる。登録組織は、放出の際の責任者となる登録者が一名、もしくはそれ以上必要となる(8.17)。

12.23 個人および組織は、一回の放出、特定された一連の放出、一つまたは、複数の特定された分類の生物の放出について、登録を行うことができる。放出試験に加えて、場合によっては、認可された製品の放出者の登録を要求することも適切であろう。このための法的整備が必要である(8.18)。

12.24 新しい法令では、いかなる者、または企業や組織の管理者であっても、必要な許可や登録が無くして遺伝子操作生物の放出を行った責任者は、いかなる被害が生じた場合でも厳しい損害賠償責任の対象となるであろう。また、許可や登録の権者や、許可や登録を認可するよう助言する委員会の委員は放出の結果に関して責務がないことも規定すべきである(8.19)。

12.25 環境大臣は、放出許可の条件として、許可保持者が生物とその生物に導入した遺伝子の拡散と絶滅、放出の環境的影響、予期せぬ生態学的事象をモニタリングすることを義務づける権限を持つべきである。許可保持者は、許可権者に対して監視の結果を報告する義務を負うべきであり、重要な問題が生じた場合には、直ちに報告すべきである。必要に応じて、認可された製品でも一時的にモニタリングを義務付ける規定が必要である(8.20)。

12.26 放出許可の申請とその交付は公示するべきである。その公示には、申請を行った個人、または組織の名称や所在地、放出生物の詳細、放出の目的、放出場所の概要を記すべきである。公示は国が管理するべきである。公示の関連部分については、放出場所の自治体が管理するべきである(8.23)。

12.27 依頼に応じて、DOEまたはHSEは、放出の予測できる影響やモニタリングの体制、緊急事態の対応など、GEOsの放出に関する情報を開示すべきである(8.23)。

12.28 GEOsの製品、または原材料としての販売や供給の申請や認可の詳細は、国が公示するべきである。認可された放出者もまた、公示されるべきである(8.23)。

12.29 GEOsの試験放出を行う許可を申請する個人および組織には、その放出を予定している地域の地方新聞誌上に放出案を公表する広告を掲載することを義務付けるべきである。GEOの製品、または原材料とする製品の販売や供給の認可を申請するものは、ロンドン官報と適切な全国紙の広告での公表を義務付けるべきである(8.24)。

12.30 立法措置により、許可権者には、放出委員会の勧告に基づいて情報の公開を行う権限を与えるべきである。また、許可権者が必要と思われる場合には、公開に先立って申請者に情報請求についての意見を求め、企業機密性に関する申請者の見解を考慮することができるべきである(8.25)。

12.31 許可権者は、欧州委員会やEC加盟国や他の諸国の関係当局(管轄官庁)と放出案に関する情報交換ができるようにする必要がある。そのために必要な権限があれば、与えられるべきである。また、英国政府も必要であれば、OECD、UNEPや他の国際組織に情報を提供できるような権限を持つべきであり、可能な限り情報を共有すべきである(8.26)。

12.32 一般公衆には、すべての放出許可の申請に関して、地方紙、または全国紙上に広告を掲載してから30日以内に、許可権者に陳情する機会が与えられるべきである。申請者とこのような陳情を行う者は、後日、放出委員会が作成した勧告の写しを受け取り、免許権者が決定を下す前にその勧告について陳情する機会を与えられるべきである(8.27)。

12.33 環境大臣とHSCが行使する遺伝子操作生物の放出に及ぶ権限は、英国領海内の海洋環境にも適用すべきである。これらの権限は、漁業担当大臣と協議の上で行使すべきである(8.28)。

12.34 環境へ悪影響を及ぼすリスクを最小限に留めるために遺伝子操作生物の封じ込め作業に関する規制を拡大することが必要であろう。この中には、適切な廃棄物の処理の要請や封じ込め使用のための保管、輸送、輸入規制に関する権限が含まれる。これらの権限は、それぞれの関連分野ですでに管轄している担当大臣に与えられるべきである(8.29)。

12.35 環境大臣は、遺伝子操作生物の封じ込め作業により生じた廃棄物に関する権限を持つべきである。直接的な廃棄物処理の担当当局に対して汚染監察部(Her Majesty’s Inspectors of Pollution)の助言を出すなど、この権限を行使するにあたり、環境大臣は、必要に応じてACGMや、放出委員会、またその他から助言を受けるべきである(8.29)。

12.36 農業大臣や他の大臣と協力して、環境大臣は自然界に存在する生物の選択と使用に関して生じる問題を再検討すべきである。野生動物および自然に関する法律(Wildlife and Countryside Act)やその他現行の法律より包括的な立法の可能性について検討すべきである(8.30)。

放出の規制以外に関する提案

12.37遺伝子操作のいかなる定義も専門家によって検討され続けるべきであり、新しい技術の状況が明確になったり、経験に照らして範囲を変更したりする場合には、必要に応じて修正されることが重要である(2.16)。

12.38 植物の商業的放出に関連して、国際的な規格(指標、措置)が必要とされている。現在の商業目的植物種の生きたサンプルは、保存されるべきで、そうすれば、必要な場合望ましくない形質を除去するためにそのサンプルに戻ることが可能であろう。導入した遺伝子の情報等、植物種の履歴を記録した系統登録があるべきである。さらに、将来の参考として新しい遺伝子を導入した生物を放出する前に、その遺伝子のDNAシーケンスを特定するべきである(5.41)。

12.39 生物学的制御への関心が高まる中でも、選択的で、分解されやすく、好ましくない残留物を残さず、人体に無害な化学農薬に関する研究は、継続して行われるべきである。農薬に関する問題を減少させることに役立つ総合的有害生物管理のような農業手法の進歩についても、継続して注目すべきである(5.48)。

12.40 地方の安全評価委員会は、国の委員会と同程度の専門家までは必要としないかもしれないが、遺伝子工学の専門家はもちろん、生態学者も(構成委員に)含むべきである。その他、可能な限り、関連分野の知識や専門知識をもつ委員を任命すべきである(6.10)。

12.41 地域の環境健康当局者は、地域の安全評価委員会の委員を務めるべきである。現在のEHOの責務の範囲外の事項について情報に基づく貢献ができるように、訓練と助言が必要である(6.10)。

12.42 放出に必要な情報や評価の手順について、国際的な合意を得ることが望ましいことは明らかである。われわれは、この事項に関する国際審議の雛型として、ACGMの情報とリスクアセスメントガイドラインの改訂最終版の使用を政府に勧める(6.12)。

12.43 実験室から広範囲な放出への行程は、たとえば、実験室から温室、それから単一の圃場試験、広範囲にわたる圃場試験、そして市場へというように、それぞれの段階で封じ込めの程度を徐々に緩めていく一連の段階を経て行われるべきである(6.23)。

12.44 製品が放出の段階へと進むと、精密な調査の責務は次第にさまざまな団体にかかってくる可能性がある。これらの団体は、密接な連携をとることが必要であり、また行った放出の結果や評価に関する情報交換の協定も必要となる(6.23)。

12.45 放出の実施における変更を行う際には、段階的に行うべきである。そうすれば、それぞれの段階での改変により、許容できない程の不確定因子が導入されることはない(6.24)。

12.46 遺伝子操作微生物の放出が提案された場合には、衰弱化のメカニズムの使用について、常に考慮すべきである(6.27)。

12.47 放出場所の浄化と根絶の可能性は、常に考慮されるべきだが、とは言え、ひとたび放出されると、特に微生物の場合は、環境中からその生物を完全に絶滅させるのは不可能かもしれないという想定に基づいて作業を行うのが賢明だろう。(6.29)。

12.48 放出者は、放出の実施要領について、放出委員会から、実施のための一般的なガイダンスと、その放出に固有なコメントとの両方の明確な助言を受けるべきである。その主な内容は、安全確保、モニタリング、浄化、偶発事故の際の取り決め等である。これらの処置の順守ついては、必要に応じて措置を講じる権限のある適切な訓練を受けた監査官が確認するべきである(6.31)。

12.49 環境中のGEOsの挙動について、少なくとももう少し知見が得られ、信頼性が得られるまでは、放出者はモニタリングを行う義務を負うべきである(6.32)。提案を評価する際、放出委員会は、行われるべきモニタリングの範囲、方法、準備について検討するべきである(6.33)。

12.50 GEOの放出のモニタリングは、通常実験終了後も、その放出の性質によっては適切な期間続け、合意した取り決めに従い結果報告をするべきである(6.34)。

12.51 環境の一般的なモニタリングについては、体系的な調査方法を確立するために、そのモニタリングを調整する余地がある。DOEは、環境を保護する責務の一部として、率先してこの調整作業を推進し、資金を提供するべきである(6.42)。

12.52 放出委員会は、放出の結果について得られた情報を定期的にレビューするべきである。レビューの結果の公表については、検討されるべきである(6.46)。

12.53 評価団体間の国際的情報交換は、放出提案を評価する際に役立つ価値ある資料となりうる。欧州委員会は、加盟国間で放出に関する情報の定期的な交換を提案している(6.47)。

12.54 われわれは、英国政府が、適切と思われる状況で、提案されたGEOsの放出を適切な権者に通知すべきであると勧告する。ECの加盟国のみなならず、他の国々に対しても同様である。そして、彼らの見解を十分に考慮すべきである(9.22)。

12.55 生きている生物とGEOsの放出が提案されたその生物が棲む環境との関係は、適切な環境状況で検討されなければならない。この点について、GEOsの放出に関するEC指令案はさらなる熟考が必要であり、欧州委員会と加盟国の間でも慎重な協議を要する問題である(9.25)。

12.56 GEOsの放出に関するEC指令案の製品除外リストは提案の価値を著しく低下させている。製品規制がある場合、その規制の担当当局が遺伝子操作生物やそれを原材料としている製品の放出を認可する前に、例えば化学製品とは異なる特性について専門家から助言を受けるべきである。規制のない製品のために、GEOsやそれを原材料とする製品に関する規制の制定が不可欠である(9.26)。

12.57 われわれは、欧州委員会による加盟国当局者の定期会合での放出案に関する協議や情報交換案、バイオテクノロジー、特に放出のリスクアセスメントに関する研究プログラムの拡大案、放出のデータベースの作成案を支持する(9.29)。

12.58 放出委員会と協議の上、ACGM、HSE、DOE、MAFFは、GEOSの逸出による環境への被害の可能性を考慮して封じ込めのガイドラインを改訂するべきである(10.4)。

12.59 GEOsを製品とする、またはGEOsを原材料とする製品の提案が評価の段階に進んだ際には、商業的に生産されたGEOsの使用や保存における事故のリスクを考慮する必要がある。危険の可能性がある場合には、保存、使用、処理、事故の際の対処方法などについて明確な表示が考慮されるべきである(10.6)。

12.60 実験室、圃場試験場、製造加工工場での処置についての綿密に設計されたプロトコールは、事故発生のリスクを減少させるのに重要である。スタッフは適切な訓練を受け、当該GEOsや関連機器を安全に扱う方法を理解しているべきである。事故の対応計画は、事故の成り行きで対処するように作成されるべきで、スタッフは、それを実施できるように訓練されるべきである(10.7)。

12.61 汚染監察部(Her Majesty’s Inspectorate of Pollution)は、遺伝子操作技術の発展によって生じる廃棄物処理の問題を検討し、適切な専門家と協議の上、廃棄物処理のBPEOsの選択についての助言を公表するべきである(10.9)。

12.62 GEOの製品、またはGEOを原材料とする製品についての評価(アセスメント)の申し出があった場合、その放出は、いかなる廃棄物や残留物も安全に処理が可能であり、製品の表示に適切な廃棄物処理についての助言が記載されている場合に限って許可されるべきである(10.10)。

12.63 生物学的、生物工学的廃棄物に属するGEOsの処理のガイドラインとその執行については、それらが適切であるかを確認するために、継続してレビューを行うべきである。圃場試験に推奨される廃棄物処理の手順も継続してレビューするべきである(10.10)。

12.64 われわれは、放出についての情報は、他のほとんどの製品に関する情報よりも高い度合いで一般に開示することを推奨している。この情報のうちいくつかは、他の企業にとって価値のあるものとなりうる(10.11)。商業的な開発の存続性を損なうことなく、従って革新を駆り立てるものにダメージを与えずに、公共に適切な情報を開示できるようにするためには、十分な保護を規定した知的財産権の制度が確立されるべきである(10.19)。

12.65 遺伝学や生態学の知識は、学校のカリキュラムに含まれるべきである。学生は、提案された放出の環境に対する影響を判定する因子を知っているべきである(10.21)。

12.66 環境への遺伝子操作生物の放出をサポートする基礎科学における実質的に機能強化された研究拠点が必要である(10.28)。研究拠点は、大学や研究所に設置するべきで、十分な資金提供を受けるべきである。このような研究は、次の三つの主要分野で行われるべきで、その三つとは、環境中の生物の分子生物学、生物と環境の相互作用、生態学と集団生物学の基礎研究である(10.29)。

12.67 基礎研究は、政府の関連省庁に委託された特定の環境問題に関するプロジェクトで補足されるべきである(10.30)。

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