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III.GILSP生物を用いたプロセスの優良な職業的
および環境的な安全性の基本原則

 中心となる目的はI節(13-14頁)に記載したようにGILSP生物および他の低リスク生物を取り扱う適切で優良で賢明な規範を特定することである。これらの規範は職業的な保健および環境的管理の優良原則に基づかなければならず、必要な場合には物理的なコントロールの実施に基づかなければならない。
 産業界で用いられる他の生物と同様に、組み換えDNAを含む生物は一般的に優良規範、研究を支配する指針または法規などによって規定される状態下で試験所において開発されるであろう。これらの生物を用いる場合に得られた経験は大規模生産において適切な規範を決定する場合に考慮すべき一要素である。
 下のリストに掲げた優良な職業的および環境的安全性の基本原則は、あらゆるレベルの閉じこめと同様、優良産業生産規範に適用すべきである。これらの原則は実施についての技術的な方法を明確に述べるという試みというよりもむしろ達成された目的を説明する試みである。

i) 細胞産物および破片などすべての物理的、化学的、生物学的作用因への作業場あるいは環境的な曝露を、生物、産生物、および過程のそれぞれの特徴に適切なレベルに維持する。
ii) 根源で工学的制御対策を実施し、必要ならば、適切な個人的な保護服、および機器を用いて補完する。
iii) 対策および機器を適切に試験し、維持し、管理する。検査および試験の頻度は改変された生物、産生物、および過程の性質に依存する。
iv) プロセス機器外部の生育できるプロセス生物--仕事場および環境における--の存在につき試験する。
v) 職員が適切な研修および経験をもっていることを確認する。
vi) 要求に応じて、生物学安全性委員会を確立し、および/または研究者の代表者と相談し、規制当局と相談する。
vii) 職員の安全性のため、および環境の保護のため、職場における規範を確立し実施する。

注  意

  1. 本文書第一部では「宿主」という用語は受容生物を表すために用いた。
  2. 毒性の概念は致死性に限定するべきではなく変異原性、癌原性、神経毒性などを含むべきである。
  3. 対象にしたトピックの型は次のものを含むがこれに限定されるものではない:職場における飲食、禁煙、口のピペット操作および化粧水の適用;保健手順における研修およびスタッフの監督、生物学的廃棄物およびその他の廃棄物の処分;補助的および保守スタッフのガイダンス;生物加工および関連機器の操作;医療調査または保健調査;偶発的事件の反応手順

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