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I. 一般的考察

 1986年のOECD報告においてなされた重要な一般的問題点はrDNA生物と関連するハザードはすべての他の生物に関連するものと同様に評価し、管理できることである。産業大規模生産に用いられる極めて多数のrDNA生物はGILSPを用いて取り扱うことができることが予期される。
 関連する生物の本質的な安全性にかかわりなく、GLISP生物についてもゼロリスクは現実的ではない。GILSP概念の中枢をなすものは:

それが低リスク宿主生物と同じほど安全であることを決定するために特定された基準にしたがう組み換え生物の評価
操作の安全性を確認する実践の特定と選択

 GILSP基準を満たし、したがって低リスクであるrDNA生物は関連宿主に対して適切であることがすでに明らかになっている条件下で扱うことができる。
 したがってGILSPは現在存在する安全な実践のフレームワーク内に存在し、生物の最も低いリスクカテゴリーの確立された国内的および国際的な定義と等価なものを提供する。今日までのGILSPの概念において、特に適用において1986年報告の補遺Fに記述された基準がどのように個々の場合に適合するかに関しては、大きな柔軟性があることは強調されるべきである。
 GILSPは低リスクであると考えられる生物、および最も低いリスククラスに分類される生物に適用される。個々のケースにつきrDNA生物がGILSP指定に値することを確認するためには第二節(15-18頁)に詳細に述べた基準を統合して考慮しなければならない。GILSP指定を保証する他のクラスの生物の二つの明らかな例は、それらが非病原性であり、環境に対して不都合な結果を示さないことを前提に:

i) 単一の原核生物宿主(その固有のプラスミドおよびウイルスを含む)または真核生物宿主(葉緑体、ミトコンドリア、またはプラスミドを含むがウイルスは除く)で全体が構築されるもの
ii) 既知の病理学的過程によりDNAを交換する異種のDNAセグメントで全体が構成されるもの

 GILSPのすべての基準を満たさない生物はGILSP生物とは言えない。しかし、ケースバイケースで評価した後に、低リスクであることが明らかになる場合があり、こうした環境においてはこれらの生物はGILSPを用いて扱うことができる。GILSPを他の生物に外挿する場合には、特別の懸念を軽減するために、GILSPの他に特別の規範が必要であるかどうかは注意して評価する必要がある。

最小限のコントロールと閉じこめ手順の条件下で大規模に扱うことができる生物は
第二節の基準を満たすもの(15-18頁)
上節の問題点 i) ii)に記載された他の生物クラス
これらの基準セットのいずれも満たさないが、上記のように低リスクであることが証明されたその他の生物

 GILSP生物およびその他の低リスク生物を扱う場合には、第3節(19頁)に記述したような職業的安全および環境的安全の確立された基準にしたがう必要がある。

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