Powell Abelら(1986年)はタバコモザイクウイルス(TMV)のコートたんぱく質を発現している組換え作物がTMVに対する抵抗力を持つことを証明した。そのときから10の分類群から50以上のウイルスコートたんぱく質遺伝子を発現させるためにモノコットとジコットの両方で30以上の植物が処理されてきた。これらの多くは野外実験がされてきた。この研究に対する触媒のひとつは交差保護の表現系の知識であり、その中ではウイルスの穏やかなものに感染されている植物は同じウイルスの厳しい感染から保護される。交差保護が働くことによる正確な機能ははっきりとしないが、このことはコートタンパク質がいくらかのウイルスに関係していることを示している。
交配タンパク質は長年にわたって世界中で使われてきた。日本では一般に50万以上のトマトの木がきゅうりの持つキュウリモザイクウイルス(CMV)(日本産のものの付随RNAをふくんでいる)(Sayama(1993年)、Sayamaらによる非公式のデータ)により交差保護されている。トマトタバコモザイクウイルスにより交差保護されている持つトマトはヨーロッパや日本において消費されており(伝統的に育まれた抵抗力を持つ製作物に広く使われている)、かんきつ類の植物はブラジルにおいてかんきつ類のtristeza closterovirusuによって保護されており(Fulton(1986年))、パパイヤの木はパパイヤのringspot potyvirusにより、ズッキーニの木はzucchini yellow mosaic potyvirusによって保護されている。指数化することがジャガイモにおけるウイルスの削除に広く使用されるまえは、多くのジャガイモの種芋はpotato leaf roll luteovirusやpotato X potexvirusやpotato Y potyvirusを含む多くの一般的なウイルスの穏やかな菌株に感染しており(Hooker,1981年)、それゆえに伝統的な技術を用いて交差保護されてきた。これらの方法は花屋や園芸店の植物同様、イチゴのような多くの無性的に増殖する植物に対していまだに使用されている。
コートタンパク質遺伝子に仲介される保護はTMVとタバコとの間の最もよい了解事項である。このシステムについての知識の現在の事情の簡単な要約は後で手短に述べる。タバコの保護を効果的にするためにTMVコートタンパク質は増えなくてはならない。保護の発達は植物の自然な病気に対する抵抗のシステムの導入とは関係ないように見える。耐性は入ってくるTMVのなかのコートタンパク質の中でコートされていないものをブロックするときに基本的に現れてくる。しかしながら伝染の後のほうの段階でも影響があるという証拠がある(Reimann-PhillipおよびBeachy(1993年))。保護はコートたんぱく質が別の宿主植物に感染する非常に関係のある菌株から得られたときよりも被感染体となる植物に感染するウイルスの菌株から得られたときにより観察される。タバコウイルスはTMVに最も近い関係にあるがトマトのタバコモザイクウイルス(ToMV)のコートタンパク質遺伝子を発現するトマトの木はタバコのタバコモザイクウイルスを発現するトマトの木よりも現場においてToMVの感染から護られている(Sandersら(1992年))。ほかのウイルスのコートタンパク質から得られた耐性はTMVのものとは違う活性の仕方をしているのかもしれない。
実地試験でのコートタンパク質遺伝子仲介による保護の成功に基づき、ほとんどのウイルス学者たちはコートタンパク質遺伝子による耐性はすべてではないが多くの単鎖(Ploeg ら(1993年))、ポジティブセンスRNAウイルス、そしてすべての植物ウイルスのうち75%を含むグループ(Beachy(1993年))に適応されるかもしれないと信じている。ウイルス耐性植物のほとんどの実地試験は合衆国以外のOECD加入国よりも合衆国で行われることのほうが多い。合衆国ではすべてではないがほとんどのコートタンパク質遺伝子が受容体となる作物へと伝染するウイルスからとられている。トランスジェニック作物に導入され、実地試験が行われる大部分のウイルスの配列は、親ウイルスから見つかるオリジナルの配列からは、遺伝子のクローニングに関係した組み換え以外はそれほど組み換えられてはいない。一部のコートタンパク質遺伝子は組み換えられており、ベクターによって組み込まれたウイルスに能力は著しく減少する。そして、別のコートタンパク質遺伝子は普通の状態下ではベクターが伝達できない菌株から独立している。いくつかの場合において、自然に植物へと伝染するのではないウイルスの菌株からのコートタンパク質の発現は自然に植物へと伝染するかもしれない分類学上関係のあるウイルスに対する耐性を供給する(StarkとBeachy(1989年)、Nambaら,(1992年))。
別のアプローチでは遺伝子からのいくつかのヌクレオチドの配列を動かすことで組み換えられてきたコートタンパク質遺伝子を使用しており、コートタンパク質断片へと帰結する (LindboおよびDougherty(1992年 a,b)) 。どれほどの遺伝子が消えたのかによって、部分的な転写遺伝子から得られたコートタンパク質はウイルスの集合体の中で機能するかもしれないししないかもしれない(Lindboら(1993年))。Doughertyの研究室(Smithら(1994年)、LindboおよびDougherty(1992年a,b))は翻訳できないmRNAをコードする組み換えコートタンパク質トランスジーンも保護を提供するかもしれないということを証明してきた。宿主の因子も耐性に一役買ってはいるが、この耐性はトランスジーンRNAとウイルス性RNAとの相互作用の結果であり、最近ではRNA媒介の耐性として議論されている(Smithら(1995年))。
いくつかの注目すべき例外があるが、コートタンパク質遺伝子の非転写発現(相補性の生成物、遺伝子のコードしていない転写物)はウイルス感染に対する保護植物での転写発現ほど一般的に効果的ではなかった。(HammondoおよびKamo(1995年)、Kawchukら(1991年)、LindboおよびDougherty(1992年a,b))。転写発現と比べて低いこの割合は予想外のものではない。というのも、ほとんどの植物ウイルスが細胞質の中で数を増やすという事実から見ると、非転写的な動きは核における遺伝子発現のレベルで行われるからである(Beachy(1993年))。非転写仲介の耐性や部分的転写仲介の耐性や翻訳不可能な転写媒介の耐性が、実地の条件下で免疫と耐性の供給という点で転写コートタンパク質遺伝子媒介の保護ほどの効果があるかどうかについては更なる調査が必要である。もしもコートタンパク質を得るトランスジーンがウイルスの核酸を抱膜できないコートタンパク質を作り出したり、コートたんぱく質を作らなかったりする場合は、このことは第5項(トランスキャプシデーションと相乗作用)で説明されている問題を評価に値しないものにする。
コートタンパク質遺伝子媒介の耐性はそれらに関係のある二次的RNAを持つウイルスの菌株に対して全体的に効果的であるということはおそらくない。これらの小さなRNAはしばしば感染した植物が発症する症状を変化させる。宿主植物の遺伝型や小さなRNAの配列、補助ウイルスや環境的な条件によって、症状は弱められたり、より厳しくなったりするのである (Matthew,1991年) 。二次的で不完全な干渉をするRNAは幾つかのウイルスの中で見つかっているが、自然な条件下での病気の発達におけるそれらの役割ははっきりとはしていない。二次的RNAが見つけられた大多数のウイルスについて、二次的なものは実地でのウイルス感染した植物からはめったに見つかっていないし、厳しい流行の原因になるということも証明してくれない。ここに二つの例外がある。ひとつはCMVの二次的RNAでここ10年の間に中国やイタリア、日本やスペインにおいて深刻な病気流行の原因となった(TienおよびWu(1991年)、Kaperら(1990年)) 。もうひとつは南京豆のロゼットウイルスで、バラ症状の原因となり分離したすべての中に二次的RNAが含まれていた(Murantら(1988年a))。コートタンパク質遺伝子媒介の保護が単独ではウイルスが二次的RNAを含んでいた場合には植物を感染から護ることができないため、こういった二次的RNAを持つウイルスに対する効果的な防御を組み込むためには更なる手段が必要であろう(YieおよびTien(1993年))。
International Committee on Taxonomy of Viruses(ICTV)の6つ目のレポートでUmbravirus属は人参の斑点がその種類の典型として認識された(Murphyら(1995年))。Umbravirusは広く世界中に分布しているがそれらはluteovirusに相互感染している植物においてのみ見つかっている。Umbravirus は手で伝達できるのに対しluteovirus はアブラムシによってのみ伝染するという事実に基づいてUmbravirusはluteovirusと区別されうる。しかしながら、実地においてはUmbravirusは遺伝子的にluteovirusのコートタンパク質によって包まれておりアブラムシによって伝染する。生物学的な特質にもとづいて、ICTVによって4種のUmbravirusが認識されており、さらに4種の候補が挙げられている。Umbravirusに対する耐性が組み込まれたトランスジェニック作物に関するレポートは公表されたことはないし、この数年のうちに商品化されるであろうluteovirus抵抗性の植物(第5項を見よ)は耐性の表現型の源としてキャプシドを持たない遺伝子を含んでいる。更なる情報については第1項の第2段落に挙げた論文を見よ。