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概要

 本文書はバイオテクノロジーにおける規制監視の調和に関する専門家グループの支援によってまとめられたもので、規制担当官、ウイルス耐性植物の開発者などの関係者に役立つ情報を提供することを意図とした。小規模あるいは大規模の段階における製品開発もしくは商業化のためウイルス耐性植物の使用に関するいかなる決定も、そのような植物が生長する特定の環境が本文書で扱うそれぞれの問題の要素であるために、各加盟国によるケースバイケースの精査を必要とする。
 この報告書の焦点は、トランスジェニック植物が導入される特定の環境に関係することがなく、一般に議論される問題に限定されている。従って、ウイルス耐性植物の栽培、ウイルス耐性植物から他の作物もしくは野生同類種への遺伝子転移の可能性あるいは可能性のある効果に関連するいかなる問題も、本文書の範囲外である。本文書は、植物種をウイルス耐性にする遺伝子の使用に関する全ての科学実験を広範に精査することを意図していない。
 専門家グループは、植物における発現が耐性表現型であることが多い特定の遺伝子、つまりウイルスコートタンパク質の使用に関連するとして、本文書において3つの問題を考慮すべきことを確認した。これらの問題のうちの2つは、トランスカプシデーションおよび遺伝子組換えで、新しいウイルス型を発生させるとして知られている分子メカニズムについてである。3つめの問題は、徴候の発生を修復する特定の相乗効果の可能性についてである。これらは、時として少なくとも4種の異なる生物、すなわち2種のウイルス、植物から植物へウイルスを伝染させる1種の生物(節足動物であることが極めて多い)、1種以上の宿主植物種を含み、生物学的に複雑な現象である。これらの現象の詳細は完全に理解されておらず、あまりよく理解されていない面を究めるために、かなりの研究が進行中である。
 いくつかの例において、本文書における議論は、大抵の情報が入手できるか、もしくはリスクに関わる問題が最も明確に確認されうる植物性ウイルスの特定の分類群に集中している。本文書はさらに、コートタンパク質遺伝子が分離され、またトランスジェニック植物に挿入された遺伝子を特徴づけるために必要とされる生物学および分子の情報に関する指針を提供している。そのような情報を捜し出すうえで役立つ参考文献のリストも提供されている。
 植物性ウイルスの基本的な生物学に関するさらなる研究は、その使用に関連して可能性のある農業経済学上あるいは環境上の問題を最小化するようなウイルス耐性植物に使用する遺伝子の開発を早め、ウイルス系統種が発生し、耐性特性を圧倒する潜在的な可能性を減少させるであろう。

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