前へ | 次へ

第3章 植物性タンパク質の生物学

Peter R.Day
農業分子生物学センター、Rutgers,ニュージャージー州立大学、ニューブランズウィック州、ニュージャージー州

I.はじめに
本論文は、植物性タンパク質の特徴を要約し、この問題について続く論文が解説可能な基礎を提供する。植物のタンパク質源について論じ、食用植物のタンパク質の役割および機能、その天然種を解説し、微生物および病原菌がどのようにして時にタンパク質を含む他の物質を食品に取り込み製造することが可能であるかを述べる。このことは、植物性タンパク質の化学的性質を包括的に論じたものではない。より詳細な情報に関しては、植物ならびにタンパク質の生物化学に関する教本を参照されるとよい1,2
タンパク質は、元来アミノ酸構成成分から構成されるポリマーを発生する。人間を含む全ての生物の細胞全ては、きまって何万ものタンパク質を含んでおり、それぞれ構造上複雑で性質が異なる。これらの構成タンパク質は、生物のゲノムにより暗号化される。ゲノムの型から算出すると、個々の種において発生すると思われるタンパク質の総数を概算することが可能である。小雑草植物Arabidopsis thalianaでは15000から60000の遺伝子および同数のタンパク質がある。
植物たんぱく質には20の異なるアミノ酸がある。栄養士にとって最も重要であるのは、食用植物タンパク質におけるアミノ酸構成成分のバランスと消化管での消化中の有効率である。人間の身体は、効率的に食品タンパク質を消化中にアミノ酸構成成分にする。その後、成長、発育、正常機能の維持に必要とされる他のタンパク質を合成するための成分としてアミノ酸を利用する。タンパク質は消化中に部分的に分解され、元のタンパク質の機能上の活動をもたないペプチドと呼ばれるより小さな分子となる。これらは特定のアミノ酸を連結する結合の酵素分割に由来する。
栄養上の機能に加え、タンパク質は食品のテクスチャー、風味、芳香、満腹感、加工しやすさ、食品の品質に貢献する。だが、敏感な人々では、タンパク質は摂取する人々にとってアレルゲン性になったり有害になったりする免疫グロブリンE(IgE:immunoglobulinE)と相互に影響し合う(この問題についてYoseph A.Mekori著「アレルギー疾患概論」、 John A.Anderson著「食品へのアレルギー反応」を参照)。栄養除去の過程および制御された食品拒否は、もしあるとするならば、食品タンパク質個々が健康によく食品が誘因である諸問題を免れることを避けなくてはならないことを明らかにする。食品アレルギー、食物不耐さらに中毒の一覧表がそのような情報から集められた4,5。それらは、ある種のタンパク質を食事で摂取することによって引き起こされる問題について医師が患者に助言するうえで手引きとなる。

II.植物性タンパク質:発生の生物学
発育の際の分化の結果、植物の細胞は植物における初期機能に適合させる様々な形態をとる。だが、全ての植物細胞に共通する多数の特徴がある。細胞各々が、選択的に溶解の際イオンを通すタンパク質脂質膜が境を接した原形質体を取り囲むセルロース壁をもつ。原形質体は、主に、様々な溶質を含む流体で満たされた中心にある空胞を取り囲む壁に沿って並んだ原形質群からなる。たとえば、レタスの見慣れた葉状の組織は、主に細胞壁から成る。細胞空砲の流動体および壁により課される物理的圧迫は、細胞を膨張させ、消費者が期待する新鮮な歯ごたえを作り出す。レタスのタンパク質含有量は低く、葉組織の乾重量の約1〜3%、あるいは湿重量の0.5%以下である。原形質にある細胞の核は、様々な核タンパク質および細胞分裂で染色体と呼ばれる組織に分解する核酸から成る。核の染色体に運ばれる遺伝子は、タンパク質合成を指示するが、その多くは酵素である。遺伝子は受け継がれた情報単位である。文における単語のように線状の順序で配列された多数のヌクレオチドから成っている。だが、遺伝子で表された文には4つの文字しかなく(ヌクレオチド、アデニン、チミジン、グアニン、シトシン)、各単語には3つの文字しかない。それぞれのトリプレットはアミノ酸を表すので、トリプレットの連続はポリペプチド鎖もしくは遺伝子のタンパク質製品を構成するアミノ酸の線状の連続を暗号化する。遺伝子式は、環境上発育上の合図に反応する核内部の要素により調整される。各種細胞でつくられるタンパク質総数がその細胞の特徴である。主要な変化が一群の遺伝子式により引き起こされ、細胞の型をそれぞれ区別する形式や化学構造の特徴になる。
各細胞の遺伝規定因子の主要な位置は核であり、緑植物の細胞は2つの他種の物体、ミトコンドリアおよび葉緑体をもち、これらもまた遺伝情報を伝える。葉緑体は、二酸化炭素と水から砂糖やデンプンのような炭水化物をつくるために日光エネルギーを用いる過程である光合成の場である。この過程で酸素がつくられ、放出される。光合成によりつくられたものは、細胞が使うエネルギーの流れをつくりだす酸化酵素の場所であるミトコンドリアによるエネルギー源として、また多くの他の合成物の合成原料として用いられる。葉緑体で発生し、光合成で重要な役割を果たす酵素リブロース、ビスマスリン酸化塩カルボシキラーゼ(ルビスコ)は、これまでの地上における最も豊富なタンパク質である。その構造は、葉緑体DNAおよび細胞核DNAによって暗号化されている。緑の植物部分の細胞は、1〜50、あるいはそれ以上の葉緑体を含んでいる。緑でない植物部分(根や塊茎など)は、通常、葉緑体を含んでいない。ミトコンドリアは葉緑体よりも小さく、何百にもおよぶ数であらゆる植物細胞に見られる。ミトコンドリアは酸化酵素の場であるため、呼吸の過程に関わる。この過程で、酸素が供与体分子から電子を受け取るために用いられ、その結果、細胞の代謝において一連の他の反応に駆り立てることを可能とする電荷を運ぶ。
成熟した植物の成長や発育に責任をもつメリステムと呼ばれる植物の苗木に、活発な細胞分割の2つの中心がある。新芽の頂上にあるメリステムは、葉、茎、やがては花のもとになる。根の頂上にあるメリステムは、根の組織のもとになる。メリステムは、ニンジンのメリステムのように簡素で分枝していないものであるか、芝生の草の根のように大いに分枝し繊維質であるかである。成熟した植物の特徴的な形が発達する際に、未成熟な細胞は、形、化学上の構成、タンパク質の補体においてたいてい逆行できない様々な変化をする。ひとたび成熟した形になると、これらの細胞はもはや分割することができず、多くは死んでしまうことがある。たとえば、植物の根や茎にある木質部あるいは水伝達組織は、空の細胞から構成される管状組織から成る。これらの細胞の内部直径は、0.01〜0.10mmに及び、長さ1〜8mm以上になることがある。個々の木質部細胞(木質部要素)は、強化された壁をもつ。それらは、水および水に溶けた材料を運ぶ管状網をつくり出すために、根から葉および土の上にある他の植物部分まで配列される。木質部構成部分がその最大の大きさおよび成熟した形に達すると、最終機能を準備した計画された細胞の死を迎える。他の細胞は長く幅の狭い形をしており、非常に厚い壁を育て、風雨によって課される機械的な圧迫に対し、茎や葉を強化する機械的に強い繊維の帯やブロックをつくり出す。木の茎では、これらの2種の細胞、水を運ぶ細胞と繊維細胞は、商業で使用される材木のもととなる。食品となる植物では、繊維細胞は人間の食品に重要な機械的特性を与える。
人間が食品としてよく用いる植物の部分は、根(ニンジン、ラディッシュ、カブ)、塊茎(ジャガイモ、サツマイモ)、茎(コールラビ、ハゴロモランカン、アスパラガス、セロリ)のような貯蔵器官を含んでいるが、また、葉(キャベツ、レタス、ホウレンソウ)球根(タマネギ、ニンニク)、花(ブロッコリー、カリフラワー、アーティチョーク)、果実(リンゴ、ナシ、トマト、ベリー類、カボチャ、メロン、キュウリ、バナナ)、種子(トウモロコシ、米、エンドウマメ、豆類、小麦、ナッツ類)のような広範囲の他の植物部分も含む。これら全ての植物部分で主要なカロリー源は、炭水化物である砂糖とデンプンである。しばしばそこに多く集結している種子を除き、異なる1000のタンパク質が存在するというのに、植物細胞は少量のタンパク質しか含まない。図1は、トウモロコシの苗木の新しく発芽した新芽から分離され、二次元のゲル電気泳動によって示された細胞タンパク質の走査像を示している。それぞれが異なるタンパク質を表す1500以上の斑点が分析されている。これらはおそらく新芽組織に存在する全タンパク質の少量のみ表している。種子は、いくつかの特別なタンパク質を比較的多く含んでおり、脂肪や油の源でもある
何年もの間、15の主要な作物が世界の食糧事情に大いに責任を負ってきた。これらは、穀類(米、トウモロコシ、小麦、モロコシ)、マメ科植物(豆類、大豆、エンドウマメ、ピーナッツ)、根菜類(ジャガイモ、カッサバ)、サトウキビ、サトウダイコン、バナナ、ココナッツである。だが、近年の研究は、100以上の食品となる植物種が個々の集団や社会にとって重要であることを示した10。これらはマンゴー(サンタルチアで消費される野菜の重量の28%)、白菜(韓国で12%)、タロイモ(サモアで18%)、キノアあるいは穀類アマランス(ボリビアで重要)、ササゲ(ニジェールで重要)を含む。

III.植物タンパク質の役割
タンパク質は、若い発育途中にある細胞において、細胞の成長、分割、分化のための化学上の機構である。細胞タンパク質で最も重要なものは酵素である。これらは、細胞構成成分を生み出す生物合成の道における個々の反応段階に責任をもつ触媒である。他のタンパク質は、調整機能をもつ核酸の部分に結びつけることによって、核の遺伝子式を点けたり消したりする信号として機能する。だが、他のタンパク質は、核酸および他の細胞構成成分に対し、機械的な役割を保持しており、構造上の枠組み、すなわち足場を提供する。
タンパク質の特性は、その構造機能である。タンパク質は、20の異なるアミノ酸の線状の鎖となり、正確に三次元構造に組み合わされた大きな分子である。多くの植物タンパク質は、小さな砂糖残留物を付着しており、他の細胞構成成分と反応する方法に影響を及ぼすグリコシル化されると言われている。様々な種類の空洞、溝、突起を含み、異なる電荷を運ぶタンパク質の表面の特徴は、他の分子と相互に影響し合う方法を決定し、触媒として機能する。これらの表面の特徴も、肌と外部で接することによって、あるいは、口または腸の粘膜によって、タンパク質分子が人間の身体に知覚される方法に影響を及ぼす。

IV.タンパク質の合成
各タンパク質のアミノ酸の連続は、遺伝子に相当するDNA部分のヌクレオチドの連続に暗号化される。一般的なトリプレット暗号は、一般に植物タンパク質に見出される20のアミノ酸それぞれを明示する3つの塩基の連続を用いる。遺伝子のDNAの連続は、始めに伝令RNA(mRNA)に転写され、それからリボソームと呼ばれる小さな分子によって加工される。リボソームとして発生するタンパク質の集合は、mRNAの連続を読み取り、転移RNA分子のプール分から選択することによって、アミノ酸の連続に移す。転移RNA分子それぞれは、特定アミノ酸を結びつけており、タンパク質合成の間に正しい時間と場所にアミノ酸を提供するアダプターとして機能する。リボソームがmRNAに沿って動く際、リボヌクレオチド鎖は分解し、その場所にアミノ酸の成長中の鎖を残す。この鎖に課された二次構造、三次構造は、しばしば化学的橋架け構造の確立によって引き起こされるが、また、タンパク質分子を可能である限り最も安定した機能上の形状に合わせる機能をもつシャペロン・タンパク質により影響を受ける、一部分自発的な折りたたみである。
mRNAへの転写および核酸の連続のアミノ酸への置き換えの過程は、全ての遺伝子に連続的に起こらない。遺伝子式と呼ばれる過程は、活性化され抑制される遺伝子の側に位置するプロモーター、染色体成分によって制御される。プロモーターは、レプレッサーと呼ばれる小さなタンパク質分子が遺伝子の転写が活性化するのを防ぐことによってプロモーターに結び付けられる際に、一般に抑制される。遺伝子が誘導されると、誘導する動因は、レプレッサーとプロモーターの結合を妨げることによって、プロモーターを解放する。構造が明示された遺伝子は、常に表される。遺伝子式の信号制御は、正常な発育にとって非常に重要である。それらは、適切な遺伝子が活性化され、必要とされる時間と場所が表され、もはや必要とされなくなるとシャットダウンされることを保証する。

図1

図1 一次元(平面)で等電点電気泳動により、二次元(垂直面)で分子量により分離されたトウモロコシの苗木の新芽から新しく発芽したタンパク質の二次元ゲル電気泳動分離の走査像(Pioneer Hi-Bred International,Inc.の許可により複写)


トランスジェニック植物の式制御の研究から、発育上の制御は異なる属および科の異なる植物の間で非常に類似しているという証拠がある。たとえば、Altenbach et al.11は、キャノーラやタバコにおけるブラジル豆2S種子貯蔵タンパク質を表すために、インゲンマメのプロモーターを使用した。同様に、タバコに小麦粉種子内胚乳グルテンタンパク質を暗号化する遺伝子は、タバコの種子にのみ表れる12,13。それぞれの例で、クローン遺伝子は、全く異なる植物の信号制御に反応することのできるプロモーターを含んでいた。
より大きなタンパク質分子は、異なるサブユニットから構成されている。異なる遺伝子は異なるサブユニットに責任をもつため、このことはおそらく遺伝子の集合や合成を容易にする。たとえば、リビスコは2種のサブユニットから構成されている。55kDaまでの大きいサブユニットは葉緑体遺伝子によって、15kDaまでの小さいサブユニットは核の遺伝子によって暗号化される14。全構造も、たいてい酵素の触媒活性にとって重要であり、初期の化学反応が起こる場所に位置する金属原子あるいは人口補綴群も含んでいる。タンパク質分子の三次元構造はX線晶化によって確立される。この技術は、分子の三次元像を再現するX線光線に位置するタンパク質結晶によって引き起こされる回折型を用いる。
多くのタンパク質は、細胞内の合成された場所では使用されない。これらのタンパク質のいくつかは、アミノ酸鎖の片端で、細胞の特定の場所にタンパク質を導く、いわゆる信号あるいは目的となる連続を持っており、その後除去される15,16。これは、タンパク質の特性が利用される膜の上あるいは内部の場所である17

V.タンパク質の変異
概して、生物がより厳密に関連していればいるほど、その構成タンパク質は類似している。ルビスコのような多くの酵素と基本的な細胞の機能を成す、いわゆるハウスキーピング酵素は、たいていの植物で共通しており、保護されている。タンパク質を暗号化するDNAの基本的な連続における唯一の変化は、分子のある地点で不適切なアミノ酸の代用に導くことがある。これはこの変化あるいは突然変異の場所に依存し、タンパク質の機能を廃止したり変更したりする効果をもつことがある。進化の期間にわたる突然変異的変化も、大部分タンパク質分子が機能する方法にほとんど効果をもたないアミノ酸変化を引き起こす。これらの変化に共通する効果は、大きさや電荷を基準としたタンパク質を分離する技術である電気泳動においてタンパク質の移動性を変更することである。酵素タンパク質の変更された形は、アイソザイムと呼ばれる。異なる形式は、同じ種の範囲で発生するか、種のあいだで異なる。多くの点でこれらの変化は進化の跡であり、ほぼ確実に進化のより早い段階において自然に起こる突然変異の結果として発生した。重要な機能を廃止する、あるいは実質上変更する変化は、致命的であるか生物の適合性を減少させる。一般に、これらの変化は、生物が生き残らず傷つけられていない形に対し競争して種子を生産しないので実際選ばれない。時折、突然変異は生物にとって有益なことがあり、他の型に競争上の利点を与える。これが進化の基本である。
タンパク質の構造において自然発生する変異は、植物の抽出物の二次元電気泳動によって最も容易に発見することが可能である(図1参照)8,18,19。だが、この技術は、おそらく特定の組織に存在するタンパク質総数のうち少量しか解明しないだろう。
タンパク質の機能に関連し有益なあるいは中性の変化は、アレルゲン性であるかアレルゲン性を高めた分子をつくり出すならば重要である。だが、人間が通常食事で触れている非常に多量のタンパク質および自然発生するタンパク質変形に対するIgE伝達のアレルギー反応の頻度が非常に少ないことを考えると、この発生の可能性はほぼ確実に大変少ない。種子貯蔵タンパク質を除いて、個々の植物性タンパク質の大多数は、IgE伝達反応を刺激するうえで必要とされる閾以下である少量で集中して存在するのみであることを心に留めておくことも重要である。

VI.植物製品により食品に導入されたタンパク質
タンパク質のいくつかは、植物細胞およびオルガネラの形に貢献する機械的すなわち構造上の機能をもつ。たとえば、細胞の代謝において固有の様々な反応の場である細胞内の巻く組織は、タンパク質分解酵素の性質をもつ。だが、しばしばリグニンのようなポリマーによって強められる炭水化物誘導体は、我々が植物において馴染みのあるひどく堅い繊維質の構造となるうえではるかにより重要である。
酵素は、細胞の成長、細胞分割、代謝を伴う多くの生物化学上の過程を指示するタンパク質である。発芽中および発芽後に苗木の成長および発育を維持するために使われる種子には、多量のタンパク質が貯蔵されている。これらは、しばしばタンパク質組織体として細胞に発生し、酵素により化学反応が起こされるか結集され、種子が発芽する際に急速に成長する部分で運ばれ再び集められる。多くの他の植物部位と違い、種子には乾性重量の10%から50%、あるいはそれ以上を構成する多量のタンパク質がある。これが種子やナッツ類が人間の食事において重要なタンパク質源である理由である。貯蔵タンパク質の多くは、比較的高濃度で存在する。多数の報告により、タンパク質のレベルとアレルゲン性のあいだの相関性が示された(この問題に関しては、Steve L.Taylor, Samuel B.Lehrer著「食品アレルゲンの原則と特性」、Robert K.Bush, Susan L.Hefle著「食品アレルゲン」を参照)。種子における貯蔵タンパク質の高いレベルは、一部分、ある人々が種子(ピーナッツなど)または加工された種子食品(パンの小麦)を消費した後に過敏になる理由を説明する。
通常、植物組織に存在するタンパク質の多様性に加え、他のタンパク質は、植物に関連する微生物によって、あるいはウイルス、バクテリア、菌類のような侵入性の病原菌によって取り入れられる。全ての新鮮な食品および農産物は微生物植物群をもつ。一般に、果物は表面で成長する酵母を運ぶ。全ての植物の表面には、塵分子や他の岩石の破片の上で運ばれたか、雨や灌漑水によってはねかけられた土壌生物が存在する。風媒のカビ胞子は植物の上に堆積される。
我々が消費のために購入する果実や野菜のなかには、植物疾病生物を運ぶものがある。植物のウイルスは、感染細胞において莫大な数に増殖するので、ウイルス性の被覆タンパク質、あるいは含有組織を形づくる他のウイルス性タンパク質は総細胞タンパク質の相当量を成す。表1のデータは、スーパーマーケットで入手された4つの異なる果実(カンタロープ、ハニーデューメロン、イエロークルックネックカボチャ、ズッキーニカボチャ)において測定された、異なるウイルスの被覆タンパク質のレベルを示している。これらのデータは、我々の食品供給の構成要素である異なるウイルス性被覆タンパク質の変異性および程度を例証する。
多くの場合、植物の疾病を引き起こす生物の存在は、その構造における更なる変化に関連する腐敗病や変色(萎黄貧血、壊死)によって示されている。これらの症状は、畑で収穫前あるいは農産物が流通や販売以前の貯蔵状態にある収穫後に現れる。軽い腐敗病は、細胞壁と細胞壁自体のあいだにあるペクチン結合を破壊する侵入性の微生物によって形成される細胞外酵素を解放することによって引き起こされる。親細胞の死が後に殺された親の更なる成長とSporulationの基質として使用する病原菌によって作られる毒素によって引き起こされる場合もある。内因性タンパク質も、病原菌の侵入に応じて、あるいは他の環境上の圧迫の結果として、植物によって形成されることがある。

7.ストレス反応タンパク質
植物は、病原菌により侵入されると、侵入する病原菌の成長を制限するため、あるいは阻止するために、しばしば予定された防御システムの構成要素(しばしばタンパク質)を合成することによって反応する。近年、植物の感染の初期段階で現れるいわゆる病原関連(PR:pathogenesis−related)タンパク質に多くの研究が集中した21。これらのタンパク質の量は多くなく、総細胞タンパク質の0.01%以下である。その機能は特殊な耐性メカニズムおよびこれらがPRタンパク質によって制御される方法に関して理解されていない。インゲンマメ(Phaseolus vulgaris)の2つのPRタンパク質は、起こりうるアレルゲンとして見なされてきた22。病原菌によって生み出されるタンパク質がそのような効果を引き起こす証拠はない。
侵入に成功した病原菌によって形成された化学製品を消費することは、厳しい結果となるという情報が相当ある。たとえば、貯蔵されたピーナッツは、発がん性と知られる非タンパク質化合物アフラトキシンを生み出すカビ(Aspergillus spp.)によって侵入されることがある23。牛に与えられる感染したあるいは汚染された飼料により、牛乳にアフラトキシンが存在するという証拠もある。
人間の栄養において問題ではない2つめの例は、カビのエンドフィチンを含む牧草に問題がある家畜生産者が遭遇するものである26。これらのエンドフィチンのカビは、草の葉および葉の組織におり、性的に再生され胞子をつくるまで、目に見える疾病の兆しを出すことはない。だが、カビにより生産されたある種の化学的代謝物質は神経の損傷の原因であり、放牧動物において旋回病として知られる病気を引き起こすことがある。カビによって生産される他の合成物はabortifacientであり、仔牛の死産を導く。これらの合成物は、草に害虫や干ばつへの耐性を与え、その両方は選択的長所である。この理由で、abortifacientは芝生栽培者にとって関心事である27
これらの食品および飼料の滞在的に危険な物質例は、カビにより生産される。これらは、タンパク質ではなく、多数の遺伝子の生成物(酵素)のよって制御されるやや複雑な合成の結果である。新しい作物のCultivarsの生産において、植物栽培者は一般に必要とするある種の特性を探すために、集められた多くの物質を自然および他の栽培者から保護する。害虫や疾病耐性は、大抵そのような保護プログラムの重要な特徴である。耐性生成物が部分的にその耐性の原因である自然発生の毒性化合物の過度に高い濃度を含まないことを証明するために注意が払われなくてはならない。
高温および極度の干ばつを受けた植物組織は、熱ショックタンパク質を形成する28。これらのタンパク質は、気温が下がるか多くの水が手に入る時に正常機能を修復するのを助けるために植物細胞によって使用される29。熱ショックタンパク質は、他の重要な細胞タンパク質が正確な三次元の配置をもつことを保証する役割を果たす。熱ショックタンパク質もシャペロンと呼ばれる。

VIII.結論
タンパク質は、植物の構造、機能、発育において、重要で本質的な役割を果たす。人間はアミノ酸を合成することができないので、植物および他のタンパク質源は我々の食事の必須成分である。毎日、我々は植物および植物関連の微生物から、何万もの異なるタンパク質を消費する。これらの多くは食物に少量で存在するが、穀類や種子における貯蔵タンパク質は我々が消費する植物タンパク質の相当な部分を成す。これらのタンパク質は、植物において多くの異なる役割を果たすが、消費されたのち、一般に迅速に構造から酵素まで個々のアミノ酸に分解され、その後他のタンパク質や栄養素を合成するために我々の身体により使用される。

謝辞
著者は、本稿のために情報を提供して下さったDr.Roy Fuchs、Dr.Rod Townsend両氏のご協力に謝意を呈する。


表1 酵素に関連した免疫ソルベント・アッセイにより測定されたスーパーの果実のウイルス性被覆タンパク質測定

果実 CMV(μg/kg fruit) PRV(μg/kg fruit) ZYMV(μg/kg fruit) WMV2(μg/kg fruit)
YC77EZW20 ND ND 68.4 430.6
C1 355.200 18.000 14.400 10.320
C2 130.464 5.472 10.944 115.488
C3 ND 252.000 28.800 720
C4 ND ND 864 ND
C5 >2.400.000 1.200 8.400 ND
C6 >3.216.000 ND 14.000 ND
C7 >3.216.000 ND 12.864 ND
H1 ND 7.200 9.480 ND
H2 ND 6.840 1.800 ND
H3 ND ND 2.200 ND
H4 359 4.752 3.888 173
H5 269 3.168 3.168 260
H6 238 ND 2.592 ND
H7 ND 5.928 1.824 137
H8 664 13.272 1.896 190
H9 82 960 24 24
H10 ND ND 250 ND
H11 ND ND 1.560 ND
H12 ND ND 480 ND
H13 ND ND 2.200 ND
H14 ND 3.120 720 ND
H15 ND 10.080 1.700 ND
H16 ND ND 3.100 ND
Y1 ND ND 11.424 ND
Y2 ND ND ND ND
Y3 ND ND 1.152 ND
Y4 ND ND 13.056 ND
Z1 ND ND 140 ND
Z2 ND ND ND ND
Z3 ND ND 454 ND
Z4 ND ND ND ND
Z5 ND ND ND ND
Z6 ND ND 576 ND
Z7 43 ND 2.592 ND
Z8 14 ND 2.900 ND

注:CMV キュウリのモザイクウイルス被覆タンパク質、PRV パパイヤのリングスポットウイルス被覆タンパク質、ZYMV ズッキーニの黄色モザイクウイルス被覆タンパク質、 WMV2 スイカのモザイクウイルス被覆タンパク質、ND 検出されず
C1−7はカンタロープ、H1−16はハニーデューメロン、Y1−4はイエロークルックネックカボチャ、Z1−8はズッキーニカボチャである。1行目は、市場用に発育されるカボチャのトランスジェニック種である。

Hector Quemada,Asgrow Seed Companyの許可により転載



前へ | 次へ