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用語説明

再生産を制限する非生物的性質(IV.A.1):利用可能な生態系の環境的因子(例、温度、塩分)で、遺伝子改変水生生物の再生産の可能性を排除するもの。

利用可能な生態系生物が研究区画から脱走した場合に、直接的に利用可能な水生環境ならびに、隣接する環境のより離れた居住空間で当該生物あるいはその後代が分散することが妥当的に予想される可能性のあるもの。

極めて高い確率で有害な減少が起こらない(IV.A.1):個体群の減少は、個体群統計学的影響および確率論的影響と合わさって、局地的な絶滅をもたらす可能性がある。それゆえ、そのような個体群減少は避けなければならない。

異数体染色体数が当該生物種の典型的な半数体セットの正確な倍数ではない生物。

遡河性魚類生活史の成体段階を海水(あるいは淡水の大規模な水域、例えばローレシアン・グレートレイクス)で過ごすが、産卵のために河川に遡上する(例:太平洋サケ、Onchorhynchus種)。この生活史のタイプは遡河性と呼ばれ、降河性の反対である(下記を参照)。

保育魚胎仔(および時には稚魚)を自分の回りに、体内あるいは体外的に保有する魚類(MoyleおよびCech 1988)。体外保育魚には、移動保育、額部保育、口腔保育、鰓室保育、皮膚保育などがある。体内保育魚の仕組みには次のものがある。体内受精に続いて胎仔が生まれる(卵―卵胎生)、母親からの栄養補給が伴わずに、胎仔の孵化が体内で行われる(卵胎生)、母親からの栄養補給を受け、胎仔の孵化が体内で行われる(胎生)。

捕獲による育種封じ込められた条件下での水生生物の管理された飼育。

降河性ほとんどの生活段階を淡水ですごすが、海水で産卵する魚類(例:Anguillidae科のウナギ)の生活史パターン。このパターンは、遡河性魚類が示すものとは逆のパターンである(上記を参照)。

同種他個体同じ生物種に属する個体。

雌雄異体(dioecious):原語の意味は「2つの家」である。任意の生物種で、オスあるいはメスの再生産器官を、分離した、単性の個体が有している(状態)。

二倍体染色体を通常の2半数体のセットで有している個体。

環境的安全性環境の生物的あるいは非生物的構成要素に対し、無視できない好ましくない結果を伴わずに実験を実行すること。

環境への影響実験を実行する結果引き起こされるもので、次のものを含む可能性があるが、これに限定されるものではない。(1)利用可能な生態系の構造、機能、復元力における変化、(2)利用可能な生態系に生息している個体群の遺伝子プールにおける変化、(3)準絶滅危惧種、絶滅危惧種、危惧種の個体群の数度での減少。

エピスタシスひとつの遺伝子が他の遺伝子の発現に影響する状況。

極度に低い生存率(II.C.1):種間交雑の生存率で、雑種が利用可能な生態系において親生物種あるいは近親種の個体群との移入交雑のリスクを現実的にもたらさないほど低いと期待されるもの。

FSTまたは固定係数無作為的な遺伝的浮動に由来する副個体群の異型接合体の低下に関する尺度。固定係数は、個体群間での遺伝的差異に対する便利で広く使用されている尺度として機能する。自然個体群では、自然個体群の観察されたFST値には、無作為的浮動のみならず、移動、自然淘汰、変異も含まれる。解釈によってもたされる複雑性はあるものの、FSTは遺伝的分化の係数としていまだに有用である(Hartl 1988)。

遺伝子移入個体群の遺伝子プールへの遺伝子の混入。

遺伝的荷重個体群の遺伝的荷重とは、最適な遺伝子型との比較において、個体群の適応度が低下した割合(Crow 1958)。

雌雄同体オスおよびメスの再生産器官をいずれも有している個体。同時的雌雄同体は、生活史を通じて両タイプの生殖腺を有する。連続的雌雄同体は、雌性先熟(卵巣を先に有し、その後に精巣を持つ)か、雄性先熟(精巣を先に有し、その後に卵巣を持つ)である場合がある。

間接的相互作用(V.):遺伝子改変生物が利用可能な生態系の他の生物に対し、非生物的因子あるいはさらなる生物種が関連する機序を通じて及ぼす影響。例としては次のものがあるが、これに限定されるわけではない。(1)物理的環境の変更で、他の生物種の居住場所としての好適性に影響をおよぼすもの、(2)水生群集での栄養機能の変更によるカスケード的影響。

感染性物質あるいは病原体魚類、軟体動物、甲殻類あるいはその一部分において、また魚類、軟体動物、甲殻類の加工、製造、あるいはその他の製品で、疾患を惹起することが可能なあらゆる生活段階の生物種あるいは感染性物質。

種間雑種ひとつの生物種の成体と他の異なる生物種の成体との交配によってもたらされた雑種個体を産生する過程。

種間再生産異なる種の個体間での交配による後代の産生。種間雑種を参照。

同一種内選択育種生物種の任意の個体群で、後代の世代の遺伝子プールに寄与している遺伝子型を人為的に選択すること。典型的には、個体群から利用可能な繁殖個体の一部を適応度あるいは表現型の価値に基づいて選択する。

遺伝子移入ひとつの生物種の遺伝子が他の遺伝子プールに混入すること。稔性雑種を親生物種のひとつあるいは両方と戻し交配した結果。

移入交雑稔性雑種がより数度の高い生物種と戻し交配する傾向があることによる遺伝子移入(上記を参照)。その結果、ほとんどの個体はより数度の高い生物種に似ているが、他の親生物種の特性もいくつか併せ持っている個体群が生じる。この過程によって引き起こされる結果は、親生物種のひとつあるいは両方における遺伝的に独特な個体群の損失である。

マーカー配列処理した個体あるいはその後代を明白に同定する目的で生物に導入されたDNA配列。

モザイクこの文書で使用されている場合、構成組織が異なる数の染色体を保有している個体。

無視できるほど事故による脱走個体数の生物学的影響が微小であり、考慮に値しない。

非雌雄異体オスおよびメスの再生産器官を分離した単性の個体で有してない状態。雌雄同体。

非自生種生物種あるいは生存可能な生物学的物質が、その歴史的な範囲(すなわち、北米のヨーロッパによる植民地化の時点で、当該生物種が占めていたなわばり)を超えて生態系に侵入したもので、これにはひとつの国から他国へと移送されたようなすべての生物種が含まれる(補遺A. 水生有害生物種プログラムからの抜粋を参照)。

再生産以外への干渉遺伝子改変生物による生物種に対する、再生産機序を通したものではない好ましくない影響で、例としては競争、捕食、寄生の強化などがある。

新規形質(1)当該生物種で通常は見られない合成物の発現。例として大西洋サケでの不凍ポリペプチド。(2)当該生物種に通常存在する化合物の発現が、新規の調節コントロール下にある場合。例として生物種の自己の成長ホルモン遺伝子が、自己の成長ホルモン遺伝子以外のものによる転写調節のもとで発現している。(3)通常の染色体補数とは数あるいは構成が異なる染色体補数を有する。例として三倍体あるいは種間雑種。

全体的表現型任意の生活史段階における生物の全体的な機能。その機能は、生物の生理学的形質や行動的形質など、質的および量的形質の相加的および相互作用的影響の結果もたらされるもので、これらの形質への遺伝的および環境的な影響に作用される。

親生物種(1)交雑で使用された生物(親)、あるいは(2)導入遺伝物質を受け取る最初の生物あるいはゲノムが遺伝物質の追加、除去、並び替えによって変更される最初の生物。

単為生殖(単為生殖)卵より受精することなく発生(生育の過程)する生物。

恒久的不稔性「不稔性」を参照。

持続性観察された生態系の構造あるいは生物種構成が、時間を通して、(既知の範囲内で)持続する能力。

多面発現異質で関連がないと思われる複数の表現型の作用に対して、単一の遺伝子が原因となっている現象。

倍数性染色体セットの数を通常数よりも多く有している状況。

生態系の過程水生生態系で発生している生物学的、化学的、物理的過程。生態系機能とも呼ばれる。

保護個体群連邦あるいは州政府によって絶滅危惧種、準絶滅危惧種、危惧種としてリストに掲載されている生物種の個体群。

加入個体群で毎年生まれる個体数。魚類および貝類資源の個体群動態の文脈で使用される。

再生産への干渉遺伝子改変生物による当該生物種の再生産の妨害で、例として産卵場所における改変生物の行動を通じたもの、あるいは異数性精子による卵の受精によるものがある。

再生産可能な成熟年齢性的成熟とも呼ばれる。

再生産の可能性(IV.A.1):産卵数、配偶子の生存可能性、胚およびより成長した後代の生存率などの因子に影響を受ける。

復元力生態系が重大な撹乱の後に、以前の状態に戻る能力。

自家受精をする雌雄同体オスおよびメスの再生産器官を併せ持ち、自己の卵を受精することにより再生産が可能な生物。

不稔性(恒久的不稔)再生産できないこと(再生産する能力を獲得あるいは取り戻すことができない)。

生態系の構造生物種間の生物学的相互作用。食物および空間の利用において顕在化される。

四倍体染色体が通常の2半数体のセットではなく、4半数体を保有する個体。

三倍体染色体が通常の2半数体のセットではなく、3半数体を保有する個体。

真性の単為生殖単為生殖のみで再生産する生物、すなわちその再生産には通常の受精が決して関与しない。

意図しない形質変化(IV.A):予期しない多面発現あるいはエピスタシスにより発生する場合がある。

許容範囲任意の環境因子に関し、生物の寿命がこの因子の直接的な致死的作用の影響を受けない数値の範囲(Fry 1971)。特に明記されていない限り、当該生物は、許容範囲内での因子の数値変化に適応することができる。

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