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実施基準フローチャートの概略

 フローチャートは、まず概略から始まり、ここでは主要な手順を模式図的に概略する。本実施基準が、フローチャートIおよび補助文書で述べられているように遺伝子改変生物(GMO)に適用される場合、研究者は3つある審査手順のうちのひとつへ進むよう指示される。まず単一遺伝子を意図的に改変することで得られたGMOを審査する(フローチャートのタイトルはII.Aで始まる)が、質問はGMOが単一遺伝子の改変およびその他の改変(染色体操作あるいは種間交雑)のいずれをも含む場合についても審査するようデザインされている。意図的な遺伝子改変の手順を通らない場合、研究者は意図的な染色体操作(フローチャートのタイトルはII.Bで始まる)に進むよう指示される。質問は染色体操作および種間交雑で得られたGMOの場合も評価するようデザインされている。この後者の手順を研究者が通らない場合には、研究者は種間交雑の審査(フローチャートのタイトルはII.Cで始まる)に進むよう指示される。
 各審査手順は、生存および再生産の審査(フローチャートのタイトルはIIまたはIIIで始まる)から開始される。ほとんどの場合には、審査のこの部分では、後半の生態系への影響審査(フローチャートのタイトルはIVまたはVで始まる)で提示される質問よりも容易に答えられる質問が提示される。生存および再生産の審査の利用によってもたらされる結論としては次の4つの可能性があり、研究者はその1つへと導かれる。

  1. 特定のリスクが同定され、当該リスクの管理をガイドするフローチャートVI.Aが研究者に指示される。

  2. 審査の基本的質問に答えるには情報が不十分であり、研究者にリスク管理が指示される(フローチャートVI.B)。

  3. 研究の安全性に関する特定の理由が同定され、研究者に本基準の適用終了が指示される。

  4. リスクあるいは安全性を判断するためにはさらなる情報が必要であり、研究者は生態系への影響審査の適切な部分へと進むよう指示される。

 生態系への影響審査で提示される質問事項では、前半の審査質問事項に比べ、進化および生態学的問題に関するより多くの知識が必要とされる。この部分で取り組むのは、もっとも重要な質問である。つまり、もしGMOが利用可能な生態系に侵入した場合、有害な影響は起こりうるか、あるいはそのような懸念を除外する特定の理由があるか?この部分を使用することで、上記に挙げた結論の1から3のいずれかに到達する。このように、いくつかのプロジェクトは本基準の適用終了となるが、他のものはリスク管理(フローチャートVI.AまたはVI.B)へと進むことになる。

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