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第2章
バイオテクノロジーに関する国民の認識

マリオン・レオポルド
ケベック大学モントリオール校(カナダ)


はじめに

 国民がバイオテクノロジーについてどのように考えているかは、この最先端の新たな技術分野での競争に参加したいと考えている国や企業にとって、決定的な意味をもっている。国民の認識が、バイオテクノロジー分野での発明のタイミングや方向性のほか、バイオテクノロジーやその製品、サービスの普及の速度に影響を与える場合もある。ある製品や利用法に対する国民の著しい拒否反応のせいで、それらをいつまでたっても市場に出せないことすらあり得る。
 バイオテクノロジーに対する国民の認識は、重要な問題であるばかりでなく、複雑な問題でもある。各国に固有のGNPや所得配分、教育の水準、国の伝統や歴史、政府、産業、マスメディア、権利擁護団体の役割など、幅広い要因によって形成されるものである。国民の認識はまた、人や環境に対する安全性、倫理、法律上の問題、経済的・社会経済的な影響といった、さまざまな分野の問題も含んでいる。さらに、国民の考え方は、たとえば、画期的なバイオ医薬品が市場に出されたとしても、費用便益あるいはリスク便益が疑問視される場合など、予期しない出来事によって急速な変化をみせることもある。最後に、国民の認識がバイオテクノロジーの商業利用に与える影響は、たとえそれが科学的根拠の薄い、あるいは非科学的な考えであっても、影響が大きくなる可能性があるといったように、純粋に科学的な根拠をもとに判断することができない。
 そのうえ、国民そのものが単一の主体ではないため、それ自体が均質な利益、考え方や価値観を代表しているわけではない。したがって、国民のさまざまな反応には、適切な重みづけがなされなければならない。
 本章では、1970年代半ば以降形成されてきた国民の認識を検討し、バイオテクノロジーの商業利用の発展に対するその実際的および潜在的影響を評価する。その意味で、国民の認識の目に見える表明について、とりわけそれが展開してきた過程と規制のプロセスによって形成されてきた過程(バイオテクノロジーをめぐる国民議論の概要)と、調査を通じて明らかになったより広範な意見(バイオテクノロジーに対する国民の認識)について充分に考慮する。最後に、国民の認識の問題は、途上国、とりわけバイオテクノロジー分野に参入した、あるいは参入しようとしている国々との関わりで取り上げられる(発展途上国)。
 以下では主にバイオセイフティと、紙幅は少なくなるがその社会経済的な影響を取り上げる。本書の目的を考慮し、ヒトへの遺伝子治療の実施に関する倫理上の問題、動物への遺伝子導入、生命体に対する特許といった重要な問題は扱っていない。

バイオテクノロジーをめぐる国民の議論の概要

 遺伝子工学の技術がまだ胎生期にあった1970年代初め、組換えDNA(rDNA)の研究にかかわる著明な科学者のグループから、一部のrDNA実験によって生じる潜在的なバイオハザードに対する懸念の声があがった。このグループは、1974年7月26日付『サイエンス』誌1の通信欄で、関連する実験の全世界での自主的凍結と、rDNA実験に関するバイオセイフティについて議論するための国際会議の開催を呼びかけた。この会議は、1975年にカリフォルニア州パシフィックグローブのアシロマ会議場で開かれ、会議の結果、rDNA研究に関する一連の基準案を示した原則声明を作成した2。会議後、直ちに組織された米国立衛生研究所(NIH)の組換えDNA諮問委員会(RAC)3は、先の声明を公のガイドラインにする作業に着手した4。多くの国が米国の例に続くことになった。
 この一連の出来事は、いろいろな意味で異例だった。それは、ガイドライン策定への動きを含め、バイオセイフティに関する最初の議論が科学界自体の内部から起こったこと、最先端のバイオテクノロジーがまだ緒についたばかりの時期に公共政策の問題が導入され、それに基づいた行動が取られたこと、一連の出来事や科学者間での意見の食い違いに向けられた国内外のマスコミによるおびただしい、往々にして誇張された報道が、国民の目を早い時期に開かせる役割をしたこと、である。
 rDNAの物理的・生物学的な封じ込めという厳密な規則に基づき、NIHのガイドラインの対象は連邦政府の資金を受けている研究所での実験に限られていた。しかし実際には、非政府機関と民間企業も、おそらくは自らの行う研究活動に最大限の信頼性を与えるために、このガイドラインに従うことになった。また、科学者や企業は、柔軟性のない法的な規制を回避することがもっとも自分たちの利益になるとも判断した。こうした姿勢が研究の世界にうまく働いたことも証明された。つまり、研究所での遺伝子工学実験の安全記録によって、そうした実験にかかわる懸念が誇張されてきたことが急速に明らかになり、封じ込め規制が徐々に緩和されたのである。EUでも、加盟各国でこの点での立場に相違があるものの、同様の傾向が現れた。
 1976年にNIHのガイドラインが発表されて間もなく、rDNA研究(さらにはNIHの監督方法)に対する国民の反発が明らかになる最初の事件がマサチューセッツ州ケンブリッジで起きた。ハーバード大学による遺伝子工学研究所の建設計画が、地元の住民団体から「自分たちの近所には絶対反対」という反発を受けたのである。これが国内外のマスメディアのほか、マサチューセッツ州選出のエドワード・ケネディ上院議員の目に留まり、同氏は直ちに、バイオテクノロジー研究を管轄する現行の規制の妥当性に関する上院小委員会の公聴会を設置した5
 その翌年には、地方の組織、とりわけ大学での研究が活発な地域で遺伝子工学に関する議論を始めるところが次々に現れ、いくつかの州や地域社会がケンブリッジ州の例にならってrDNA研究を規制する独自の法律を導入した。こうした動きや一般国民の懸念の表明と思われるものへの対応として、連邦議会では遺伝子工学の規制を目的とした法案が十数本提出された。十分な支持が得られなかったために、これらの法案のうち立法化されたものはひとつもなく、唯一の規制当局としてのNIHの立場は強化された。
 1980年代半ばまでに、バイオテクノロジー発展の背景となる状況には、いくつかの重要な変化がみられた。バイオテクノロジーの主な推進力は、大学の研究室から企業部門に移っていた。当初は懐疑的だった大企業が、主にベンチャー企業との戦略的提携を通じて、この分野への参入を始めたのである6。政府は、バイオテクノロジーを国際競争で重大な役割を担う重要な技術とみなすようになっていた。やがて、バイオテクノロジーが農業やバイオレメディエーションといった、医薬以外の分野で利用されるようになるにつれて、公共政策や国民の認識にかかわる新たな問題が提起され、懸念は、作出された生物の環境への予想外の放出から、そうした生物の意図的な放出に伴う健康上・安全上のリスクへと移った。
 バイオテクノロジーがいよいよハイリスク・ハイリターンの経済ゲームになってきたこと、また潜在的リスクとして新たな要素が組み入れられたことから、バイオセイフティや、より適切な規制の仕組みを見出す必要性についての国民の議論は、それまでとは違った切迫感を帯びるようになっていた。環境への放出にかかわるリスク評価の問題に関しては、科学界の内部で激しい論争が繰り広げられ、分子遺伝学者が生態学者と争い、二つの相争う科学パラダイムがぶつかり合った7。この議論は、新たな権利擁護グループをも引き入れ、なかでも目立ったのは環境保護論者や、EUの場合は議会の代表だった。産業団体、各企業や関連の研究団体といったバイオテクノロジーの擁護者も、より積極的な姿勢を取りはじめた。
 ほとんどの政策論争は規制分野に関するものに終始することになったが、この分野では実験段階から実用化段階へと焦点が移ったことによって、分野別の安全上・健康上の規則を追加する必要性が生じていた。米国の場合、食品医薬品局(FDA)、農務省(USDA)および環境保護庁(EPA)が、それぞれの管轄分野でこの役割を受け持つことになった。規制環境は、さまざまな理由できわめて複雑かつ混乱したものになった。1986年に出された「バイオテクノロジーの規制に関する調整された枠組み」8をはじめ、こうした欠点を克服しようとする試みは特段の成果をあげなかった。しかし、バイオテクノロジーに限定した法案が通らなかったことで、徐々に規制の調整が行われるという可能性は残された。EUでは、製品とプロセスの両方を対象とする、バイオテクノロジーに限定した厳しい指令が、新たな形式主義を生みだした。
 企業の株主にとって、バイオセイフティに関する規制は痛し痒しの問題だった。一方では、政府による認可は製品(EUの場合はプロセスも)の「正当化」になくてはならない手段の1つだったが、それと同時に、ほとんどの利用分野で規制が大幅に遅れたことによって、競争市場への深刻な参入障壁が生じていた9
 バイオテクノロジーや具体的な利用に対して積極的に反対する人々は、今度は環境団体をはじめとして広範囲にわたる連携相手とともに活動を続けることになった。規制当局に対して圧力をかけ、個々の製品の市場でのタイムリーな発表や普及を妨害するための戦術の一部として、政府への陳情、議会公聴会での発言、訴訟、マスメディアを通じた広報活動や、野外試験の組織的なボイコット、サボタージュが行われた。
 現在、重要なのは、遺伝子組換え食品をめぐる米国のバイオ産業とそれを非難する人々の対立である。この分野での技術開発を阻むことができなかった反対派は、今度は、この種の食品の表示をめぐって争っている。組織的な反対が世論に与える影響を警戒して、食品の規制を管轄するFDAは、現在、食品の製造に用いられるプロセスの特定の問題に関する自らの立場の見直しを行っている。
 上に述べたような活動が示すとおり、バイオテクノロジーへの反対運動の大部分は、特定の利益団体を広範に結集する活動家によって行われてきた。これらの団体は、組織の仕組みやマスメディアを巧みに利用し、バイオテクノロジーのいくつかの利用分野での開発期間を引き延ばすのにかなりの成功を収めてきた。このことから、組織された権利擁護団体とそのときどきの同調者たちが世論一般を代表しているとみなすのは適切ではないといえる。

バイオテクノロジーに対する国民の認識

 世論調査を慎重に思慮深く利用することは、(i)国民の幅広い階層がバイオテクノロジーをどのように認識しているか、(ii)国民の認識を形成するのはどんな要因か、(iii)国民の認識はバイオテクノロジーを用いた各種の製品やサービスの市場参入や普及にどのような影響を及ぼしているか、を明らかにするのに役立てることができる。これまで行われてきたこうした調査の大部分は、製品の価格設定といった経済的要因を考慮していない。もし単にこれだけの理由なら、これらの調査でわかるのは、バイオテクノロジーの市場での成功に関する大雑把な推定でしかない。
 ここで、最近行われた3つの関連調査での結果を示し、これを評価する10。全般的にみて、ユーロバロメーターによる調査については、その結果が米国での2つの調査の結果と酷似しているため、1つの例を除いて区別せずに解説している。しかし、EUでは加盟国間で国民の認識に大きな相違がある場合が多いことに注意する必要がある。国家間のばらつきについては本章の別の箇所で扱う。

調査結果

国民はバイオテクノロジーをどのように認識しているか

1. 大多数の人々は、遺伝子工学のリスクが大幅に誇張されていることに同意している(調査A)。
2. 国民の大多数が厳しい規制の必要性を感じており、上記の結果は遺伝子工学への無条件の支持を意味するわけではない(調査A)。
3. ほとんどの場合、バイオテクノロジーについては、小規模の実験(隅々まで検査の行き届いたもの)に対する支持と、大規模な商業利用に対する不支持とで国民の認識が分かれている(調査A)。
4. 一般に、国民はバイオテクノロジーが食品の品質や栄養面に望ましい影響を及ぼす可能性があると考える傾向がある(調査B)。

認識を形成する要因

1. 教育水準や信仰は、ある少数派の否定的な認識を説明する重要な要因である(調査A)。
2. バイオテクノロジーの大規模な商業利用を大多数が支持していないのは、主に環境団体の圧力によるものである。環境団体は、往々にして連邦政府機関よりも信頼されている(調査A)。
3. 環境団体による主張にうまく対抗できれば、長期的にはこのような状況は変わるかもしれない(調査A)。
4. 科学的な知識・教養は、環境団体によって引き起こされた不安を緩和する(調査A)。
5. 現在利用できる国民の意識や態度に関する研究からは、効果的な教育プログラムを立案するのに十分な要素が得られない(調査B)。
6. バイオテクノロジーに関する情報を貪欲に求めるようになってきた国民に対応しているのは、非公式な情報の普及手段(特にマスメディア)である(調査B)。
7. 明確な基準の制定も求められている。たとえば、食品の表示情報は、バイオテクノロジー利用に対する国民の懸念に応える有力な手段になりうる。ただし、こうした手段の有用性は、教育や意識の水準に左右される(調査B)。
8. 政府機関への信頼と、教育や意識の水準は、正の相関を示す(調査B)。
9. 「サイエンス・フィクション的な」手法による巧みな弁舌や誇張が、不透明感を増長している(調査B)。
10. 国民の意識を高める働きを持つものとして重要なのは、マスメディアの代表、教育や医療の専門家である(調査B)。
11. 意思決定過程への参加意識を国民に持たせることが、国民の支持を得る上で重要な役割を果たす(調査B)。
12. バイオテクノロジーに関する情報の出所の信頼性は、次のように評価されている。消費者団体−27%、環境団体−23%、学校、大学−17%、公的機関−7%、動物保護団体−5%、宗教団体−3%、政治団体−1%、労働組合−1%、企業−1%、わからない・無回答−15%(調査C)。

国民の認識がビジネスチャンスに与える影響

1. 大多数の人が、誇張されたリスクに起因する不安が、製品開発に深刻なダメージを与えていると考えている(調査A)。
2. 事前の段階では、個人(そして公的機関)が不透明感を持つことはある程度避けられない。つまり、商品が市場に出るまで、消費者の反応を完全に把握することはできない(調査B)。
3. 食品の安全に関する意識の高まりと、国民による受容と技術の進歩の間にある隔たりとが相まって、利用方法の開発や市場への参入の減速につながる可能性がある。(調査B)。
4. 安全基準が許容水準をクリアしているとすれば、国民の受容により大きな影響を与えるのは、製品の品質よりも製品の価格である可能性が高い(調査B)。

調査結果の評価

国民の認識における学習曲線

 国民の認識は、各国に固有な5つの大きな要因の関数である。その要因とは、経済的豊かさ、教育、社会的・制度的な参加手段、文化的・宗教的な価値観および伝統、そして任意の変数(過去の特に衝撃的な出来事など)である。
 世論の成熟度とそれを表現する手段が、長い間不変だったとは考えられない。世論は、一段と高度化した表現や参加の手段を通じて、いっそう役割を増すことが期待されるが、それには、社会の発展とともに、学習のプロセスもかかわっている。今日の最先進国においてさえ、果たして社会が歴史的にみてこうした学習プロセスの頂点に達しているか疑問に思うのは無理からぬことである。世論調査を使って到達した結論がどの程度断定的なものであるかは、こうした状況と相対的な関係にある。

権利擁護団体が対象とする集団

 すでに述べたように、権利擁護団体は、それぞれの利用分野による特定の影響に応じて特定の対象に訴えかける。国民全体としてみる限り、教育の水準と国民の各階層に対する権利擁護団体の影響には関連があるものと仮定することができる。一方で、科学的な知識・教養がなかったり、教養が全くない階層は、対象にされるとは考えにくい。それとは正反対に、科学的な知識・教養があり、自分自身の意見を形成することのできる階層も、権利擁護団体の影響下に入る可能性は低く、権利擁護団体は宗教、道徳といった先入観に訴えるかもしれない。最後に、中間的な国民の階層があり、これは、どのような問題について議論が行われているかを理解できるだけの知識や教養を持っているものの、自身の判断を下せるほどではない階層である。国民全体としてみる限り、権利擁護団体の影響を受ける可能性がもっとも高い標的階層は、この階層である。

世論の「顕在化」を示す指標としての国民の選択

 市場の合理的な選択をみれば、経済的豊かさに関する完全な情報とその最低水準がわかる。市場の選択が不充分な場合、顕在化した世論を示すものとしての根拠は希薄になる。比較的選択が行われない分野では後者の状況が生じるため、国民は、リスクが大きくてもそれを受け入れる傾向がある。選択が不充分な場合、公的な介入の必要性が生じることにもなりうる。こうした状況は、途上国や先進国の最貧層でみられる。

相対的競争力

 製品やプロセスの技術革新によって相応の製品がもたらされる場合、国民は競争力のある価格設定に反応することになる。

発展途上国

  1. 途上国の場合、一定の環境が必要であり、それは制度、政治、社会、教育、文化によって可能になる。
  2. 先進国との共通点と相違点は以下のとおりである。
    (a)比較的広範に渡る市場の失敗によって、国民の認識の「顕在化」を判断するのが難しくなっている。
    (b)途上国は学習曲線の初期段階にある。
    (c)国民の認識は先進国と同様の要因によって形成されているが、それらの相対的な重要性は国ごとに異なる。
    (d)バイオテクノロジーに参入した、あるいは参入しようとしている途上国では、合理的な判断のできる国民の割合も高い可能性があるものの、ほとんどの先進国と同様、比較的低い割合にとどまっている。所得配分の問題は、こうしたことを背景にして考える必要があり、ブラジルやインドといった国にはバイオテクノロジー産業があるものの、貧困や文盲の比率が著しく高い。国民の多くの階層が文盲で教育がない場合、広範な世論は形成されない。
    (e)権利擁護団体が標的とする国民は、途上国では一般にかなり少ない。最後進国では存在しない場合もある(権利擁護団体が存在しない場合があるのと同様に)。
    (f)多くの場合、伝統的な価値観や宗教が国民の認識に与える影響は、先進国の場合よりも大きい可能性がある。
    (g)途上国において、現在、世論を主導しているのは非政府組織である。
    (h)国際機関、特に国連の専門機関も、その中立性のため、途上国における国民の意識を高める上で重要な役割を果たすことが期待される。


1 Berg, P., Baltimore, D., Boyer, H. W., Cohen, S. N., Davis, R. W., Hogness, D. S., Nathans, D., Roblin, R., Watson, J.D., Weissman, S. & Zinder, N. D. (1974) Potential biohazards of recombinant DNA molecules. Science, 185, 303.

2 アシロマ会議およびその後の出来事に関する記述は、バイオテクノロジーの歴史を扱った多くの文献で見ることができる。たとえば次のような文献である。(a) Gore, Jr., Sen. A. & Owens, S. (1985) The Challenge of Biotechnology. In: Yale Law and Policy Review. Vol. 3, No.2, Spring; (b) Krimsky, S. (1991) Biotechnics and Society: The Rise of Industrial Genetics. Praeger Publisher, New York; (c) Olson, S. (1986) Biotechnology: An Industry Comes of Age. National Academy Press, Washington, DC; (d) Watson, J. & Tooze, J. (1981) The DNA Story. W. H. Freeman & Co., San Francisco; (e) Yanchinski, S. (1989) Biotechnology: A Brave New World? Lutterworth, Cambridge.

3 組換えDNA諮問委員会(RAC)は、最初に懸念を表明した科学者グループの要請によって1974年10月に設置された。

4 The Guidelines for Research Involving Recombinant DNA. National Institutes of Health, June 1976.

5 Oversight Hearings on the Implementation of NIH Guidelines Governing Recombinant DNA Research: Joint Oversight Hearing of the Subcommittee on Health and Subcommittee on Administrative Practices. 94th Congress. United States Congress. Senate. 22 September, 1976. 次の文献で取り上げられているとおりである。Plein, L. C. (1990) Biotechnology: Issue development and evolution. In: Biotechnology: Assessing Social Impacts and Policy Implications, Webber, D. J. (ed.). Greenwood Press, Connecticut.

6 企業の関心の高まりの背景には、いくつかの要因がある。科学分野における急速な進歩と成果の有望性、遺伝子組換え生物が特許出願の対象となるとした1980年の米国連邦最高裁判所判決(Diamond v. Chakrabarty)、レーガン政権の特徴だった全般的な技術推進・規制緩和の環境などである。

7 科学上の論争については、Krimsky, S. (1991) Biotechnics and Society: The Rise of Industrial Genetics. Praeger Publisher, New Yorkを参照のこと。

8 科学技術政策局(Office of Science and Technology Policy),1986年6月,連邦公報(Federal Register)51号.

9 規制の形式主義による時間的遅れは、米国の場合、リスク評価に関連する障害、規制権限の重複、一部の政府機関がバイオテクノロジーの規制当局であると同時に推進役でもあったという事実、正式な規制当局や適切なインフラの欠如、バイオテクノロジー反対派による効果的なロビー活動など、複雑な要素が絡み合って生じていた。Leopold, M. (1993) The commercialization of biotechnology, the shifting frontier. In: Biotechnology R&D Trends. Science Policy for Development, Tzotzos. G. T. (ed.), Ann. New York Acad. Sci., 700, pp. 214-231. The New York Academy of Sciences, New Yorkを参照。

10 (A) United States Congress, Office of Technology Assessment, New Developments in Biotechnology-Background Paper: Public Perceptions of Biotechnology, OTA-BP-45, United States Government Printing Office. Washington, DC., May 1987.(1986年10月から11月にかけて行われた、全国の無作為サンプルから抽出した米国の成人1,273名を対象とした調査)(B) Hoban, T. J. & Kendall, P. A. (1992) Consumer Attitudes about the Use of Biotechnology in Agriculture and Food Production(米国農務省普及局への報告書の概要),Raleigh, North Carolina.(1992年2月から3月にかけて行われた、全米の成人1,228名への電話(無作為ダイヤル方式)による調査)(C) Marlier, E. (1992) Eurobarometer 35.1: Opinions of Europeans on Biotechnology in 1991. In: Biotechnology in Public: a Review of Recent Research, Durant, J. (ed.). Science Museum for the European Federation of Biotechnology, London.(1991年3月から4月にかけて行われた、15歳以上の住民12,800名の代表サンプルを対象とした欧州共同体加盟12カ国の同時調査).

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