(工業、農業及び環境で組換え体を利用する際の安全性の考察に関する勧告)
OECD理事会は、
1960年12月14日の経済協力開発機構(OECD)条約第1条(c)、第3条(a)、第5条(b)の規定を尊重し;
「組換えDNA技術の安全性の考察――組換えDNA技術で得られた生物を工業、農業及び環境で利用するに際しての安全性に関する考察」の報告書を尊重し;
組換えDNA技術が広範囲の用途に新しく輝かしい可能性を開き、人類に相当な利益をもたらすと期待され;
この技術が特に人類の健康の増進に貢献し、その度合いは近い将来に非常に増大すると予測されることを認め;
組換えDNA技術によって提起された安全性に関する論争を共通に理解することが、国際的な一致、健康と環境の保護、バイオテクノロジー分野での国際間の貿易の促進と国家間の障壁の減少に向けての、第一歩を踏み出す上での基礎を与えることに鑑み;
組換えDNA技術の大規模工業利用の大部分は、優良工業製造規範(GILSP)の概念と一致した、最小限の封じ込めだけで十分な本質的に危険性の少ない生物が使われることに鑑み;
物理的封じ込めの技術は現行工業で十分知られており、その技術を長年病原生物を封じ込むのに使って成功してきたことに鑑み;
危険性の高い組換え体を使用する必要がある場合は、リスクアセスメントのための基準が追加でき、この組換え体も適切な物理的及び(又は)生物学的封じ込めのもとに取り扱うことができることに鑑み;
環境又は農業で利用する組換え体についてのリスクアセスメントは、工業利用におけるリスクアセスメントに比べて発達していないことに鑑み;
組換え体を環境及び農業で利用する際の環境へのリスクアセスメントは、伝統的な方法で操作された生物の環境及び農業での広範な利用を通じて得られた既存のデータベースに蓄えられた情報を参考にし、又はそれに従って行われるべきであり、研究開発の過程における段階的評価により潜在的危険性を最小にしなければならないことを認め;
科学的知見の現状に鑑み;
組換え体の農業及び環境への利用に適用される一般的な国際的な指針の作成は、目下時期尚早であると思われることを認め;
組換え体の使用を規制する特別の法律を制定する科学的根拠は、現在存在しないことを認め;
科学技術政策委員会(CSTP)の提案に基づき:
| 1. | 加盟国に下記の項目を勧告する。 |
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| (a) | 組換えDNA技術に対する取り組み方の調和を容易とする目的で、国の規制のための原則又は指針に関する情報やリスク解析の進歩、リスク管理における実験的経験をできるだけ自由に交換して共有すべきである; |
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| (b) | この分野の技術の発展を妨げる過度な負担を避けながら、組換えDNA技術の実行及びその応用が十分な点検と管理のもとに行われることを保証するために、既存の監督、点検機構を検討すべきである。 |
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| (c) | 国際的な調和をめざす上で、指針を遵守するための取組みが組換えDNA技術の将来の発展を妨げるものであってはならないことを認めるべきである。 |
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| (d) | 国家間のデータ交換を容易にし貿易上の障壁を最小限にするために、国内水準及び国際水準での試験法、装置、設計の進歩及び微生物分類学の知見などを、さらに調査すべきである。国際的組織、例えばWHO、CEC、ISO、FAO、MSDN1) 内で現在行われている基準に関する作業について、十分な配慮が行われるべきである。 |
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| (e) | 組換えDNA技術の持つ種々な面について、一般国民にもっとよく理解してもらうために、特に努力すべきである。 |
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| (f) | 組換え体のある種の工業への利用及び環境と農業への利用のために、数か国が指針策定を望んでいることを認識しつつ、工業、農業及び環境で組換えDNA技術の開発を注視すべきである。 |
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| (g) | 安全性を確保するために必要なすべての情報が得られることを保証しながら、技術革新に対する必要性を認めつつ、組換えDNA技術を利用する際評価と点検方法が、知的財産及び機密を保護することを保証すべきである。 |
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| 2. | 工業利用に特定して、加盟国に下記の項目を勧告する。 |
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| (a) | 組換えDNA技術の大規模な工業利用においては、元来可能な限り危険性の低い生物が使われ、本報告で詳述している優良工業製造規範(GILSP)の条件のもとで取り扱われることを保証すべきである。 |
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| (b) | 本報告で定義した基準を使ったリスクアセスメントで、組換え体がGILSPだけに基づいて取り扱うことができないことが示されたなら、GILSPに加えてリスクアセスメントに対応する適当な封じ込めの方法が使用されることを保証すべきである。 |
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| (c) | 物理的封じ込めを必要とする大規模な工業利用においては、組換え体の意図しない漏出を監視し制御する技術の改善を図る研究をより強化すべきである。 |
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| 3. | 農業及び環境への利用に特定して、加盟各国に下記の項目を勧告する。 |
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| (a) | リスクアセスメントに役立てるために、生物の環境や人間の健康についての既存の相当量のデータを用いるべきである。 |
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| (b) | 農業及び環境に利用する前に、ケースバイケース2) で潜在的危険性を個別に点検し、組換え体の潜在的危険性を評価することを保証すべきである。 |
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| (c) | 農業又は環境で利用する組換え体の開発は、適切な場合は実験室からグロースチャンバーや温室へ、さらに限定された野外試験へ、そして最終的には大規模野外試験にというように段階的に進めるべきである。 |
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| (d) | 組換え体の利用の結果を予想し、評価し、そして監視する技術を改良するために研究をより強化すべきである。 |
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| 4. | 科学技術政策委員会(CSTP)が下記の項目を行うことを命ずる: |
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| (a) | 本報告に示されている原則を行う上で加盟国の経験を概観すること。 |
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| (b) | この提言を遂行するため加盟国の行った活動を概観すること。 |
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| (c) | バイオテクノロジーの安全性と規制に関して調整のとれた将来の作業計画を提案する上で、OECDの適当な委員会と協議すること。 |
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