図2 ショウジョウバエおよびマウスにおいてpiRNA経路にかかわる主要な因子
Tudorドメインタンパク質は丸いボックスでかこんで示した.
[Download] [hs_figure id=2&image=/wordpress/wp-content/uploads/2018/05/Tomari-7.e003-Fig.2.png&caption=fig2-caption-text]
piRNAの生成経路は,既存のpiRNAを必要としないプライマリー経路と,PIWIのスライサー活性に依存したピンポン経路とに大別される.ピンポン経路においては,PIWIによる標的RNAの切断と共役して新たなpiRNAが生成される.以下,ショウジョウバエ,マウス,線虫それぞれのpiRNA経路について解説する.
図3 ショウジョウバエの卵巣におけるpiRNAの生成機構
(a)ショウジョウバエの卵室の断面図.
(b)ユニストランドクラスターからの転写.RNA pol II:RNAポリメラーゼII,H3K4me2:ヒストンH3のLys4のジメチル化修飾,H3K9me3:ヒストンH3のLys9のトリメチル化修飾.
(c)デュアルストランドクラスターからの転写.RNA pol II:RNAポリメラーゼII,H3K9me3:ヒストンH3のLys9のトリメチル化修飾.
(d)プライマリー経路によるpiRNAの生成のモデル.Me:2'-
O-メチル化修飾,cP:2',3'-環状リン酸.
(e)Piwiによる核における転写の抑制機構のモデル.Me:2'-
O-メチル化修飾,RNA pol II:RNAポリメラーゼII,H3K9me3:ヒストンH3のLys9のトリメチル化修飾.
[Download] [hs_figure id=3&image=/wordpress/wp-content/uploads/2018/05/Tomari-7.e003-Fig.3.png&caption=fig3-caption-text]
図5 マウスの精巣におけるpiRNAの生成機構
(a)マウスの精巣におけるPIWIおよびpiRNAの発現.ノックアウトマウスにおいて精子の形成が停止する時期を赤色の×印で示した.
(b)プライマリー経路によるプレパキテンpiRNAおよびパキテンpiRNAの生成のモデル.RNA pol II:RNAポリメラーゼII,Me:2'-
O-メチル化修飾.
[Download] [hs_figure id=5&image=/wordpress/wp-content/uploads/2018/05/Tomari-7.e003-Fig.5.png&caption=fig5-caption-text]
マウスのpiRNAは,その発現の時期によりプレパキテンpiRNAとパキテンpiRNAにと大別される(図6 マウスの精巣におけるピンポン経路によるプレパキテンpiRNAの生成,および,MIWI2によりひき起こされるDNAメチル化
Me:2'-
O-メチル化修飾,RNA pol II:RNAポリメラーゼII.
[Download] [hs_figure id=6&image=/wordpress/wp-content/uploads/2018/05/Tomari-7.e003-Fig.6.png&caption=fig6-caption-text]
図8 線虫におけるpiRNA経路
(a)21U-RNAの生成のモデル.RNA pol II:RNAポリメラーゼII,Me:2'-
O-メチル化修飾.
(b)21U-RNA:PRG-1複合体による非自己に由来する配列の発現の抑制機構.H3K9me3:ヒストンH3のLys9のトリメチル化修飾.
[Download] [hs_figure id=8&image=/wordpress/wp-content/uploads/2018/05/Tomari-7.e003-Fig.8.png&caption=fig8-caption-text]
21U-RNAと相補的な配列をもつトランスポゾンはTc3しか知られておらず,21U-RNAの標的はながらく不明であったが,のちの解析により,21U-RNAはmiRNAのように数塩基のミスマッチを許容して標的RNAを認識することが明らかにされた