図2 Agoの全体構造
(a)ヒトAgo2
31)(PDB ID:
4EI3).
(b)ヒトAgo2
30)(PDB ID:
4F3T).
(c)
Kluyveromyces polysporus Ago
32)(PDB ID:
4F1N).
(d)高度好熱性細菌
Thermus thermophilusのAgoホモログ
27)(PDB ID:
3DLH).
構造の比較から,真核生物型Agoおよび原核生物Agoホモログの全体構造がもつ種間にわたる類似性をみてとることができる.
結合しているRNAあるいはDNAを紫色で,L-トリプトファンを空間充填モデルで示す.青色:Nドメイン,水色:L1リンカー,緑色:PAZドメイン,黄色:L2リンカー,オレンジ色:MIDドメイン,赤色:PIWIドメイン.
[Download] [hs_figure id=2&image=/wordpress/wp-content/uploads/2012/08/Tomari-1.e001-Fig.2.png&caption=fig2-caption-text]
特筆すべきことに,今回,3つの研究グループから報告された真核生物型Agoの立体構造は,どれも一本鎖RNAと複合体を形成した状態において構造が決定されており(図3 ガイド鎖による5’-モノリン酸基の認識
ガイド鎖の1番目と3番目のリン酸基が5’末端結合ポケットにより認識されている.原核生物Agoホモログでは2つのリン酸基にMg
2+が配位しているが,真核生物型Agoでは保存されたリジン残基(Lys939)が同様の役割をはたしていた.
残基番号は
K.
polysporus Agoに対応する.
[Download] [hs_figure id=3&image=/wordpress/wp-content/uploads/2012/08/Tomari-1.e001-Fig.3.png&caption=fig3-caption-text]
図4 ガイド鎖にみられる2つのねじれ構造
ヒトAgo2とmiR-20aとの複合体の構造において,ガイド鎖の6番目と7番目の塩基のあいだにみられたねじれは,PAZドメインとMIDドメインとを結ぶL2リンカーに含まれるヘリックスにあるIle365の側鎖が挿入されることでひき起こされていた.9番目と10番目の塩基のあいだにみられたもう1つのねじれは,2つのアルギニン残基(Arg635とArg710)のスタッキング相互作用により生じていた.
[Download] [hs_figure id=4&image=/wordpress/wp-content/uploads/2012/08/Tomari-1.e001-Fig.4.png&caption=fig4-caption-text]
図5 PIWIドメインにあるスライサー活性部位は構造変化により活性型に切り替わる
左側は,青色で示すループが挿入されることにより活性部位がブロックされている“unplugged”構造.右側は,緑色で示すループが挿入されることにより保存されたグルタミン酸残基(紫色)がRNase H型のAsp-Glu-Asp-Asp(DEDD)モチーフを完成させている“plugged-in”構造.
残基番号は
K.
polysporus Agoに対応する.
[Download] [hs_figure id=5&image=/wordpress/wp-content/uploads/2012/08/Tomari-1.e001-Fig.5.png&caption=fig5-caption-text]
図6 L-トリプトファンの認識様式
ヒトAgo2のPIWIドメインに位置する2つのトリプトファン結合ポケットは,おもに疎水性相互作用によりトリプトファンと結合する.トリプトファン1はGlu695と水素結合も形成している.
[Download] [hs_figure id=6&image=/wordpress/wp-content/uploads/2012/08/Tomari-1.e001-Fig.6.png&caption=fig6-caption-text]