図1 糖転移酵素GnT-IVaによるGLUT2の糖鎖修飾とグルコースセンサー機能膵臓β細胞では,GLUT2は生合成ののち,ゴルジ体において糖転移酵素GnT-IVaにより糖鎖修飾をうけ,細胞の表面に運ばれる.GLUT2は付加された糖鎖を用いて内在性のレクチンであるガレクチンと結合し,細胞の表面に安定してとどまる.これにより,膵臓β細胞は血糖に応じて細胞にグルコースを取り込み,インスリン分泌応答を起こす.
[Download] [hs_figure id=1&image=/wp-content/uploads/2011/09/Ohtsubo-Nature-Medicine-11.9.7-Fig.1.png&caption=fig1-caption-text]図2 転写因子FOXA2およびHNF1αの核外への輸送によるグルコースセンサー機能の障害(a)膵臓β細胞においては転写因子FOXA2およびHNF1αは核に局在し,
Mgat4a遺伝子および
Glut2遺伝子の発現を可能としている.その結果,
Mgat4a遺伝子にコードされる糖転移酵素GnT-IVaによる糖鎖修飾をうけたGLUT2は安定的に膵臓β細胞の表面に発現し,グルコースの取り込みに応じたインスリンの分泌が可能となる.
(b)遊離脂肪酸を暴露された膵臓β細胞では転写因子FOXA2およびHNF1αが核外に輸送されるため
Mgat4a遺伝子および
Glut2遺伝子の発現が障害され,細胞にGLUT2が貯留するとともに細胞の表面でのGLUT2の発現が低下し,グルコースセンサー機能が障害される.
[Download] [hs_figure id=2&image=/wp-content/uploads/2011/09/Ohtsubo-Nature-Medicine-11.9.7-Fig.2.png&caption=fig2-caption-text]