DGBY

2012/05/09

Web Site: http://www.naro.affrc.go.jp/org/nfri/yakudachi/yeast/index.html
HTTPS Site: https://dbarchive.biosciencedbc.jp/data/dgby/

パン酵母遺伝子の製パン関連ストレス下での発現と破壊株表現型を網羅的に解析したストレス耐性に関するデータベース

README 目次

  1. ダウンロードデータの構成
  2. ダウンロードデータの説明
  3. 本データベースの利用許諾
  4. 更新履歴
  5. 参考文献
  6. 連絡先

1. ダウンロードデータの構成

  1. README
  2. 実験リスト
  3. DNA マイクロアレイを用いた網羅的遺伝子発現解析 - 製パン初期過程における遺伝子発現変化
  4. DNA マイクロアレイを用いた網羅的遺伝子発現解析 - 高ショ糖ストレス
  5. DNA マイクロアレイを用いた網羅的遺伝子発現解析 - 乾燥ストレス
  6. 遺伝子破壊株セットを用いた網羅的表現型解析 - 高ショ糖ストレス
  7. 遺伝子破壊株セットを用いた網羅的表現型解析 - 冷凍ストレス
  8. 遺伝子破壊株セットを用いた網羅的表現型解析 - 乾燥ストレス
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2. ダウンロードデータの説明

2.1 README

データ名 README
データ内容 「DGBY」のダウンロードデータについて説明したHTMLファイル。
ダウンロードファイル名 README.html(日本語)
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2.2 実験リスト

データ名 実験リスト
データ内容の説明 行われた実験と公開されたデータセットのまとめ
データファイル 英語版: dgby_main_en.zip (1KB)
日本語版(UTF8): dgby_main_ja_utf8.zip (1KB)
日本語版(SJIS): dgby_main_ja_sjis.zip (1KB)
データファイルの各列のデータは以下の通りです。
<英語版>
項目名項目の説明
ID 実験ID
Post-genomic approache 実験手法
Stress 実験条件
Data file (GEO) GEO内の登録ID
Data file (CSV) CSV形式のデータファイル名
Data file (Excel) Excel形式のデータファイル名
Simple search 簡易検索サイト中のテーブル名
Reference (PubMed) 関連文献のPubMed ID
<日本語版>
項目名項目の説明
実験ID 実験ID
ポストゲノムアプローチ 実験手法
ストレス 実験条件
データファイル (GEO) GEO内の登録ID
データファイル (CSV) CSV形式のデータファイル名
データファイル(Excel) Excel形式のデータファイル名
簡易検索サイト 簡易検索サイト中のテーブル名
リファレンス (PubMed) 関連文献のPubMed ID

2.3 DNA マイクロアレイを用いた網羅的遺伝子発現解析 - 製パン初期過程における遺伝子発現変化

データ名 DNA マイクロアレイを用いた網羅的遺伝子発現解析 - 製パン初期過程における遺伝子発現変
データ内容の説明 製パン用のパン酵母は、栄養分や温度条件等の厳密な管理を受けながら好気的条件下で培養されます。 パン酵母は、パン生地に加えられると急激な環境条件の変化に曝されます。 このような環境変化に対して、パン酵母はどのように適応しているのかを明らかにするため、我々はパン生地発酵の初期過程におけるパン酵母の遺伝子発現プロファイルを取得しました。 その結果、酸素呼吸から発酵への移行を裏付けるように、発酵初期にはTCAサイクルに関連する遺伝子の発現が抑制されると共に、解糖系関連遺伝子の発現上昇が確認されました。 また、unfolded protein response (UPR)に関連する遺伝子の発現が上昇するなど、興味深い現象も観察されました。
データファイル GEO Accession No: GSE3043

2.4 DNA マイクロアレイを用いた網羅的遺伝子発現解析 - 高ショ糖ストレス

データ名 DNA マイクロアレイを用いた網羅的遺伝子発現解析 - 高ショ糖ストレス
データ内容の説明 パン酵母には、菓子パン等に用いられる高糖生地の発酵に適したものや、フランスパン等の無糖生地の発酵に適したものなど、生地の種類に応じた様々な種類が存在します。 我々は、高糖生地用パン酵母(HS株)と無糖生地用パン酵母(LS株)を用いて、発酵過程における遺伝子発現変化や発酵特性等を比較し、両株の特徴付けを試みました。 その結果、グリセロールやトレハロースといった適合溶質の代謝に関連する遺伝子の発現は、ショ糖含有条件ではHS株よりもLS株において高レベルであることが分かりました。 しかし、適合溶質の生合成関連遺伝子の発現レベルと適合溶質の細胞内濃度との相関は低いことが分かりました。
データファイル GEO Accession No: GSE4295

2.5 DNA マイクロアレイを用いた網羅的遺伝子発現解析 - 乾燥ストレス

データ名 DNA マイクロアレイを用いた網羅的遺伝子発現解析 - 乾燥ストレス
データ内容の説明 ドライイーストは、培養したパン酵母を乾燥して製造されますが、その過程で酵母には熱や乾燥を伴う過酷なストレス(乾燥ストレス)が負荷されます。 我々はドライイースト製造を模倣した通風乾燥過程におけるパン酵母の遺伝子発現変化を解析し、乾燥ストレスがパン酵母の遺伝子発現に及ぼす影響を調べました。 その結果、乾燥初期にはタンパク質のフォールディングに関与する遺伝子の発現が一過的に上昇していました。 また、乾燥過程において脂肪酸代謝関連遺伝子の発現が高く維持されていることが示唆されました。
データファイル GEO Accession No: GSE6454

2.6 遺伝子破壊株セットを用いた網羅的表現型解析 - 高ショ糖ストレス

データ名 遺伝子破壊株セットを用いた網羅的表現型解析 - 高ショ糖ストレス
データ内容の説明 菓子パン等に用いられる高糖生地中では、パン酵母は高いショ糖濃度に曝されます。 従って、パン酵母の高ショ糖ストレス耐性は実用レベルにおいて極めて重要であると言えます。 しかしながら、高ショ糖ストレス耐性の機構には不明な点が多く残されています。 そこで、我々は高ショ糖ストレス耐性に必要な遺伝子を明らかにするため、出芽酵母の非必須遺伝子破壊株セットを用いた網羅的な解析を行いました。 その結果、273株の高ショ糖感受性株を同定することに成功しました。 これらの株について、ソルビトールおよび食塩に対する感受性等を調べたところ、プリン合成関連遺伝子等の破壊株が高ショ糖ストレス特異的に感受性を示すことが明らかになりました。 ショ糖、ソルビトールあるいは食塩による高浸透圧下における細胞内ATP濃度を調べたところ、プリン合成関連遺伝子の破壊株では、高ショ糖存在下でのATP濃度が極めて低いことが分かりました。 このことから、細胞内ATP濃度が高ショ糖ストレス感受性を決定づける一つの要因であるものと示唆されました。
データファイル CSV形式: dbgy_high_sugar_stress.zip (90KB)
オリジナルファイル(Excel形式): High-sugar_stress.xls (674KB)
データファイルの各列のデータは以下の通りです。
項目名項目の説明
ORF ORF名、SGD(Saccharomyces Genome
Database;http://www.yeastgenome.org/) におけるSystematic Name
GENE 遺伝子名、SGDにおけるStandard Name
Growth rate YM/YW YPD培地中の増殖速度(変異型/野生型の比)
Growth rate SM/SW YPD30suc培地(300g/Lショ糖を添加したYPD培地)中の増殖速度(変異型/野生型の比)
DESCRIPTION (MIPS) MIPS(Munich Information Center for Protein Sequences)における遺伝子の説明

2.7 遺伝子破壊株セットを用いた網羅的表現型解析 - 冷凍ストレス

データ名 遺伝子破壊株セットを用いた網羅的表現型解析 - 冷凍ストレス
データ内容の説明 パン酵母は、冷凍生地製パン過程において、凍結・融解に伴う冷凍ストレスに曝されます。 そこで、冷凍ストレス耐性に必要とされる遺伝子を明らかにするため、非必須遺伝子の破壊株セットを用いたゲノムワイドな冷凍ストレス感受性株のスクリーニングを行いました。 その結果、冷凍ストレス感受性を示す58株の遺伝子破壊株を同定することが出来ました。感受性株の破壊遺伝子の中には、液胞酸性化や細胞壁形成に関与するものが多く含まれていました。 冷凍ストレス感受性株の多くは、酸化ストレスや細胞壁形成阻害剤に対する感受性を示したことから、冷凍障害には少なくとも二つのメカニズム(酸化ストレス、細胞壁欠損)が介在する可能性が示唆されました。
データファイル CSV形式: dgby_freeze_thaw_stress.zip (88KB)
オリジナルファイル(Excel形式): Freeze-thaw_stress.xls (676KB)
データファイルの各列のデータは以下の通りです。
項目名項目の説明
ORF ORF名、SGD(Saccharomyces Genome Database;http://www.yeastgenome.org/) におけるSystematic Name
GENE 遺伝子名、SGDにおけるStandard Name
Growth rate BM/BW 非ストレス条件の増殖速度(変異型/野生型の比)
Growth rate (AM/AW)/(BM/BW) 凍結融解後の増殖速度(変異型/野生型の比)のストレス無しでの増殖速度(変異型/野生型の比)に対する比
DESCRIPTION (MIPS) MIPS(Munich Information Center for Protein Sequences)における遺伝子の説明

2.8 遺伝子破壊株セットを用いた網羅的表現型解析 - 乾燥ストレス

データ名 遺伝子破壊株セットを用いた網羅的表現型解析 - 乾燥ストレス
データ内容の説明 パン酵母は、ドライイースト製造の過程で過酷な乾燥ストレスに曝されます。 我々は、乾燥ストレス耐性に必要な遺伝子を明らかにすることを目的に、出芽酵母の非必須遺伝子の破壊株セットを用いたゲノムワイドなスクリーニングを行いました。 その結果、乾燥ストレス感受性を示す278株の遺伝子破壊株を同定することが出来ました。 感受性株の破壊遺伝子の中には、液胞酸性化を担う液胞型プロトンATPaseやミトコンドリア機能に関与するものが多く含まれていました。 これらの機能は、乾燥ストレスによって液胞酸性化欠損株の細胞内pHが顕著に低下すること、および乾燥ストレスによってミトコンドリア膜電位が喪失することから、乾燥ストレス耐性において重要な役割を担っている可能性が示唆されました。 乾燥ストレス感受性と酸化ストレス感受性との関連について調べたところ、酸化ストレスは乾燥ストレスに対する感受性を決定付ける重要な要素であるにも関わらず、酸化ストレス耐性への関与が知られている活性酸素種消去システムは、乾燥ストレス耐性には必須ではない可能性が示唆されました。
データファイル CSV形式: dgby_air_drying_stress.zip (89KB)
オリジナルファイル(Excel形式): Air-drying_stress.xls (676KB)
データファイルの各列のデータは以下の通りです。
項目名項目の説明
ORF ORF名、SGD(Saccharomyces Genome Database;http://www.yeastgenome.org/) におけるSystematic Name
GENE 遺伝子名、SGDにおけるStandard Name
Growth rate BM/BW 非ストレス条件の増殖速度(変異型/野生型の比)
Growth rate (DM/DW)/(BM/BW) 乾燥ストレス後の増殖速度(変異型/野生型の比)のストレス無しでの増殖速度(変異型/野生型の比)に対する比
DESCRIPTION (MIPS) MIPS(Munich Information Center for Protein Sequences)における遺伝子の説明
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3. 本データベースの利用許諾

利用許諾更新日: 2012/04/17

本データベースは、以下で定める利用許諾に基づきご利用いただくことができます。 本利用許諾は、本データベース利用における許諾内容、及び利用者が従うべき条件を定めています。

Creative Commons License

本データベースの利用許諾は、クリエイティブ・コモンズ 表示-継承2.1 日本の定める利用許諾です。
本データベースのクレジットは、 ”パン酵母遺伝子データベース © 安藤 聡(食品総合研究所) licensed under CC表示 継承2.1 日本”ですので、 利用にあたり必ず表示してください。

クリエイティブ・コモンズ 表示-継承2.1 日本の概要は こちらです。 具体的な許諾条項は こちらをご覧ください。

本データベースにおいて、標準利用許諾の下で以下の条件に従う限り許諾されている事項:

  1. 本データベースの全部または一部に自由にアクセスし、データを取得することができます。
  2. 本データベースの全部または一部のデータを自由に再配布することができます。
  3. 本データベースの全部または一部のデータを利用した、データベースなどの二次的著作物を自由に作成し、配布することができます。

本データベースにおいて、標準利用許諾に基づいて利用する際に従うべき条件:

  1. 本データベースの全部または一部、あるいは二次的著作物の配布に際しては、本データベースの作成者のクレジットを表示しなければなりません。
  2. 本データベースの全部または一部のデータを利用して作成された二次的著作物は、この利用許諾の下で配布されなければなりません。
  3. 本利用許諾で許諾されていない事項については、以下の連絡先に連絡をとり、利用許諾を求める必要があります。

利用許諾に関する連絡先:
〒305-8642 茨城県つくば市観音台2-1-12
農研機構 食品総合研究所
安藤 聡
TEL: 029-838-8066
E-mail:  aando[at]affrc[dot]ac[dot]jp

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4. 更新履歴

更新日 更新内容
2012/05/09 データベース運用場所、オリジナルサイトのURLを更新。
2012/04/17 利用許諾のクレジットの記載方法を変更新。
2012/01/16 生命科学系データベースアーカイブにてダウンロードデータ公開開始
2006/10/02 DGBY(Database for Gene function and expression of Baker's Yeast)(http://nfri.naro.affrc.go.jp/yakudachi/yeast/index.html)で公開開始
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5. 参考文献

Tanaka F, Ando A, Nakamura T, Takagi H, Shima J.
Functional genomic analysis of commercial baker's yeast during initial stages of model dough-fermentation.
Food Microbiol. 2006 Dec;23(8):717-28. Epub 2006 Apr 4.
PMID: 16943074

Tanaka-Tsuno F, Mizukami-Murata S, Murata Y, Nakamura T, Ando A, Takagi H, Shima J.
Functional genomics of commercial baker's yeasts that have different abilities for sugar utilization and high-sucrose tolerance under different sugar conditions.
Yeast. 2007 Oct;24(10):901-11.
PMID: 17724779

Nakamura T, Mizukami-Murata S, Ando A, Murata Y, Takagi H, Shima J.
Changes in gene expression of commercial baker's yeast during an air-drying process that simulates dried yeast production.
J Biosci Bioeng. 2008 Oct;106(4):405-8.
PMID: 19000619

Ando A, Tanaka F, Murata Y, Takagi H, Shima J.
Identification and classification of genes required for tolerance to high-sucrose stress revealed by genome-wide screening of Saccharomyces cerevisiae.
FEMS Yeast Res. 2006 Mar;6(2):249-67.
PMID: 16487347

Ando A, Nakamura T, Murata Y, Takagi H, Shima J.
Identification and classification of genes required for tolerance to freeze-thaw stress revealed by genome-wide screening of Saccharomyces cerevisiae deletion strains.
FEMS Yeast Res. 2007 Mar;7(2):244-53. Epub 2006 Sep 21.
PMID: 16989656

Shima J, Ando A, Takagi H.
Possible roles of vacuolar H+-ATPase and mitochondrial function in tolerance to air-drying stress revealed by genome-wide screening of Saccharomyces cerevisiae deletion strains.
Yeast. 2008 Mar;25(3):179-90.
PMID: 18224659

6.連絡先

「DGBY」についてのお問い合わせは、下記連絡先までご連絡ください。

〒305-8642 茨城県つくば市観音台2-1-12
農研機構 食品総合研究所
安藤 聡
TEL: 029-838-8066
E-mail:  aando[at]affrc[dot]ac[dot]jp

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