<クリーブランド法>
1)1mmスペーサー付きガラス板(160×140×1 mm)、シリコンチューブ、耳付きガ
ラス板を組立て、大型クリップで4箇所を止め、実験台の上に立てる。
2)100 mlビーカー中で分離ゲル溶液を調製する。
分離ゲルの組成 |
18%(1枚分) |
分離ゲル用アクリルアミド溶液
分離ゲル用緩衝液
純水
10%過硫酸アンモニウム
TEMED
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10.5 ml
6.3 ml
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120 µl
20 µl
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泡立てないように撹拌し組立てたガラス板の間に上から約3.5 cmの高さまで注入する
(10%過硫酸アンモニウムとTEMEDを入れるとすぐ固まるので素早く行う)。
3)約1mlの純水をピペットマン等でゲルに重層する。
4)室温で40分〜1時間放置して、ゲル化させる。
5) 水をとりのぞく。
6)100 mlビーカー中で濃縮ゲル溶液を調製する。
濃縮ゲルの組成 |
5%(1枚分) |
濃縮ゲル用アクリルアミド溶液
濃縮ゲル用緩衝液
純水
10%過硫酸アンモニウム
TEMED
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1 ml
3 ml
2 ml
30 µl
20 µl
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泡立てないように攪拌して、分離ゲルの上に重層し、コームを挿入する
(10%過硫酸アンモニウムとTEMEDを入れるとすぐ固まるので素早く行う)。
7)室温で20分間放置する。
8)コームを抜き、クリップ・シリコンチューブをはずす。
9)試料溝の部分の未重合アクリルアミドを注射器等で除く(純水を使用して試料溝を洗い、
未重合のゲル等が残っていないようにする)。
10)ガラス板を泳動槽にセットする。
11)試料溝に、20μlの試料タンパク質溶液を添加する。
12)プロテアーゼを、1/2試料用緩衝液に溶解し、試料タンパク質溶液と等液量で
試料タンパク質に対して質量比で 1/10〜1/20 になるように濃度を調整する
(例えば1µg/µlV8プロテアーゼ原液10µlを1/2試料用緩衝液190µlに溶かし、20µl使う)。
13)マイクロシリンジを用いて、タンパク質溶液の上に酵素溶液を静かに重層する。
14)その上に、泳動用緩衝液を静かに重層する。
15)35 mA(定電流)で電気泳動を開始して、BPBが濃縮ゲルの下端に近づいたところで、
30分間泳動を停止し、ゲル中で部分的にあるいは完全に酵素分解を行わせる。
16)時間経過後、再度泳動を35 mA(定電流)で開始し、BPBがゲルの下部から
約5mmのところへ移動するまで泳動する(約4時間半)。
17) 電源を切って、ガラス板を泳動槽から取りはずす。
18) スパチュラを用いて、耳付きガラス板をはずす。
19)分離ゲルと濃縮ゲルの間を切り、分離ゲルをブロッティングに用いる。
<ブロッティング>
1)PVDF膜を少量のメタノールに5秒間浸したのち、約200 mlのブロッティング溶液Cに浸し、
5分間以上振とうする。
2)ブロッティング溶液A・B・Cの各約100 mlに、3MMろ紙(ワットマン)を2枚ずつ浸す。
3)電気泳動後の分離ゲルを取り出し、約200 mlのブロッティング溶液Cに浸して、
5分間軽く振とうする(長時間浸とうするとゲルがのびる)。
4)あらかじめ水に浸しておいたセミドライブロッティング装置の電極板上に、気泡が入らないようにして、
A液ろ紙2枚、B液ろ紙2枚、PVDF膜、ゲル、C液ろ紙2枚の順に重ねる。
5)下側(PVDF膜側)を陽極、上側(ゲル側)を陰極にし、スタンダード1枚につき140 mA(定電流)で、
90分間ブロッティングを行う。
6)ブロッティング後、PVDF膜を約200 mlの純水に浸して洗浄する。
7)クマシーブリリアントブルー染色液に浸して、1〜2分間染色する。
8)60%メタノールに浸して、バックグラウンドの色が薄くなるまで脱色する。
9)純水中で、1〜2分間すすぐ。
10)PVDF膜は、風乾後、ビニール袋に入れて保存できる。
(アミノ酸配列分析を行う場合は、必要な部分を切出し、気相プロティンシーケンサーに直接挿入する。)
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