図1 マウスの大脳新皮質における主要な神経回路
(a)大脳新皮質における軸索の投射先.
(b)大脳新皮質におけるニューロンの層構造と軸索の投射先との関係.
[Download] [hs_figure id=1&image=/wordpress/wp-content/uploads/2014/02/Tanaka-3.e002-Fig.1.png&caption=fig1-caption-text]
図2 軸索ガイダンスの基本的な分子機構
軸索の進路は,誘引活性あるいは反発活性をもつ軸索ガイダンスタンパク質のはたらきにより決定される.
[Download] [hs_figure id=2&image=/wordpress/wp-content/uploads/2014/02/Tanaka-3.e002-Fig.2.png&caption=fig2-caption-text]
軸索を標的のニューロンまでみちびく誘引物質の存在は,スペインの解剖学者Cajalにより1世紀以上もまえから提案されていたが,そのような物質が実際に存在するかどうかは長らく不明であった.1980年代になり,神経培養系において特定の軸索を誘引する因子の存在が示され,そののち,ニワトリの胚の脳から分泌型で誘引活性をもつ軸索ガイダンスタンパク質としてNetrinが同定された図3 脳梁の形成機構
(a)脳梁とパイオニア軸索である帯状皮質の軸索の投射経路.脳梁のニューロンの軸索投射には,おもに6箇所の決定点がある.
(b)脳梁の軸索の正中線の交差にかかわる軸索ガイダンスタンパク質とそれらの受容体.
[Download] [hs_figure id=3&image=/wordpress/wp-content/uploads/2014/02/Tanaka-3.e002-Fig.3.png&caption=fig3-caption-text]
図4 皮質脊髄路の形成機構
皮質脊髄路の軸索投射にかかわる軸索ガイダンスタンパク質とそれらの受容体.
[Download] [hs_figure id=4&image=/wordpress/wp-content/uploads/2014/02/Tanaka-3.e002-Fig.4.png&caption=fig4-caption-text]
最初,皮質脊髄路の軸索は誘引活性をもつ軸索ガイダンスタンパク質Semaphorin3Cと反発活性をもつ軸索ガイダンスタンパク質Semaphorin3Aのはたらきにより皮質板から中間帯にむけて伸長する図5 視床皮質の軸索投射の機構
(a)視床皮質の軸索投射にかかわる軸索ガイダンスタンパク質.Corridor細胞には誘引活性をもつ軸索ガイダンスタンパク質Neuregulin1が発現する.
(b)視床皮質の軸索のトポグラフィックな投射にかかわる軸索ガイダンスタンパク質とそれらの受容体.軸索ガイダンスタンパク質EphrinA5およびNetrin1の発現は腹側終脳において反対の濃度勾配をもつ.
(c)ハンドシェイクモデル.皮質下行性の軸索と視床皮質の軸索とのあいだの相互作用が互いの軸索投射に必須であるとする.
[Download] [hs_figure id=5&image=/wordpress/wp-content/uploads/2014/02/Tanaka-3.e002-Fig.5.png&caption=fig5-caption-text]
このように,腹側終脳は視床皮質の軸索の中間標的部位として重要であるが,さらに,視床皮質の軸索のトポグラフィックな投射を最初に制御する領域でもある.トポグラフィクな投射とは,ある領域のニューロンが互いの相対的な位置情報を保持した状態のまま標的となる領域のニューロンにシナプスを形成することである.視床皮質の軸索の場合,前後軸にそったトポグラフィクな投射パターンが観察される