図1 対立遺伝子の頻度の変化
緑色の矢印は,新たな突然変異がある個体のゲノムのある部位において生じたことを示す.赤色の矢印は,その突然変異が集団に固定されたことを示す.
(a)適応度に影響しない(選択的に中立である)突然変異の場合.
(b)生存に有利な影響をおよぼす突然変異の場合.
(c)生存に不利な影響をおよぼす突然変異の場合.
[Download] [hs_figure id=1&image=/wordpress/wp-content/uploads/2016/10/Takuno-5.e009-Fig.1.png&caption=fig1-caption-text]
しかし,まれに突然変異が表現型に影響をおよぼす場合がある.突然変異型が野生型に比べ生存や繁殖に有利な影響をおよぼす場合を考える.野生型と比べたときの後代の残しやすさを適応度とよび,突然変異による影響をうけた個体の適応度が野生型の適応度を上まわると,対立遺伝子の頻度は急激に上昇し固定される(図2 Brachypodium distachyonのゲノムにおけるDNAメチル化のパターン
(a)第1染色体におけるDNAメチル化のパターン,トランスポソンの密度,遺伝子の密度.
(b)トランスポゾン周辺DNAメチル化のパターン.0はトランスポゾンの境界,矢印はトランスポゾンの本体を示す.
(c)遺伝子周辺DNAメチル化のパターン.左側の0は転写開始点,右側の0は転写終了点を示す.
[Download] [hs_figure id=2&image=/wordpress/wp-content/uploads/2016/10/Takuno-5.e009-Fig.2.png&caption=fig2-caption-text]
このように,エピゲノムの構成はゲノムの構成と密接に関連する.多くの植物種においても同様のパターンがみられる図5 陸上植物における遺伝子内メチル化
(a)シロイヌナズナ,テーダマツ,トウモロコシにおける遺伝子周辺DNAメチル化のパターン.左側の0は転写開始点,右の側の0は転写終了点を示す.
(b)陸上植物14種におけるゲノムの大きさとエキソンにおけるDNAメチル化のレベルとの関係.点は陸上植物14種それぞれを示す.
[Download] [hs_figure id=5&image=/wordpress/wp-content/uploads/2016/10/Takuno-5.e009-Fig.5.png&caption=fig5-caption-text]
どのような要因が遺伝子の内部におけるDNAメチル化のレベルを決定するのか調べた