図1 細胞質ダイニンのドメインの構造および初期の運動モデル
(a)細胞質ダイニンのドメインの構造.
(b)電子顕微鏡による解析にもとづく初期の運動モデル.
[Download] [hs_figure id=1&image=/wordpress/wp-content/uploads/2016/01/Kurisu-5.e001-Fig.1.png&caption=fig1-caption-text]
2011年,細胞質ダイニンのモータードメインの結晶構造が中程度の分解能で報告され,2次構造のレベルでその分子構造が記述された図2 細胞質ダイニンのモータードメインの全体構造
(a)模式図.
(b)細胞性粘菌に由来する細胞質ダイニンの野生型モータードメイン.
(c)細胞性粘菌に由来する細胞質ダイニンの微小管結合部位を欠失した変異型モータードメイン.
(d)出芽酵母に由来する細胞質ダイニンのストークおよび微小管結合部位を欠失した変異型モータードメイン.ヌクレオチドを含まないアポ型.
(e)ヒトのダイニン-2のモータードメイン.ADPおよびリン酸のアナログとしてバナジン酸と結合した状態.
[Download] [hs_figure id=2&image=/wordpress/wp-content/uploads/2016/01/Kurisu-5.e001-Fig.2.png&caption=fig2-caption-text]
筆者らに先行した構造決定においては,出芽酵母に由来する細胞質ダイニンのモータードメインにつきストークおよび微小管結合部位を欠失した変異体が用いられた(図3 AAA1モジュールにおけるADPの結合部位
微小管結合部位を欠失した変異型モータードメインに結合したADPをスティックモデルで表示するとともに,AAA1に結合したADPの近傍を拡大して示した.ADPと相互作用する残基もスティックモデルで表示した.
[Download] [hs_figure id=3&image=/wordpress/wp-content/uploads/2016/01/Kurisu-5.e001-Fig.3.png&caption=fig3-caption-text]
N末端側から順にAAA図4 リンカーとCシークエンスの周辺の構造
(a)微小管結合部位を欠失した変異型モータードメインのADP結合型の延びたリンカーの構造を横から見た図.
(b)ヒトのダイニン-2のモータードメインのADPおよびリン酸のアナログとしてバナジン酸と結合した状態の折れ曲がったリンカーの構造を横から見た図.
(c)微小管結合部位を欠失した変異型モータードメインのADP結合型のAAA
+リングを裏側から見た図.
(d)ヒトのダイニン-2のモータードメインのADPおよびリン酸のアナログとしてバナジン酸と結合した状態のAAA
+リングを裏側から見た図.
[Download] [hs_figure id=4&image=/wordpress/wp-content/uploads/2016/01/Kurisu-5.e001-Fig.4.png&caption=fig4-caption-text]
以前に報告された中程度の分解能のX線結晶構造と比べ,全体構造は2次構造のレベルではよく一致していた.しかしながら,最近になりあいついで報告された原子レベルでの立体構造はダイニンの構造機能相関を議論するのに十分な解像度および精度をもち,ヌクレオチドとの結合やヌクレオチドの状態に依存した構造の変化がアミノ酸残基のレベルで議論された