図1 dysbiosisと炎症
(a)“正常な腸内フローラ”.バクテロイディアに属する細菌およびクロストリジアに属する細菌が豊富に存在し,細菌種の多様性が高く,機能的にもすぐれている.セグメント細菌やクロストリジアに属する細菌などによりTh17細胞と制御性T細胞とがバランスよく生み出され,頑強な粘膜のバリアが保たれている.
(b)“dysbiosis”.かたよった食事,感染や遺伝的な素因による炎症,抗生物質の使用などにより,優性であるべきバクテロイディアに属する細菌およびクロストリジアに属する細菌が減少し,細菌種の多様性が減少し,本来はごく少数しか存在しないはずの細菌種が増加するというdysbiosisを生じることがある.dysbiosisはTh17細胞や制御性T細胞などによる免疫系の活性化と抑制とのバランスに異常をもたらし,粘膜のバリアの破壊と,本来は免疫系が応答すべきではない食事の成分や腸内細菌に対する異常な活性化を誘導する.
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