図1 酵母の研究にもとづく真核生物における染色体DNAの複製開始の機構
(a)Orcの結合した複製開始点へのMcm2-7へテロ六量体のロード.
(b)複製開始点へのSld3-Sld7複合体とCdc45との複合体の結合.
(c)複製開始点におけるロード前複合体の形成.
(d)複製開始点におけるCMG複合体の形成.
(e)DNAポリメラーゼδおよびDNAポリメラーゼεによるDNA鎖の伸長.ここでは,DNAポリメラーゼεがリーディング鎖を,DNAポリメラーゼδがラギング鎖を伸長するとした.
P:リン酸化.
[Download] [hs_figure id=1&image=/wordpress/wp-content/uploads/2016/07/Araki-5.e006-Fig.1.png&caption=fig1-caption-text]
Mcm2-7へテロ六量体のそれぞれのサブユニットは共通する特徴をもつ.すなわち,N末端側にOBフォールドおよびジンクフィンガードメイン,C末端側にAAA図2 Sld3-Sld7複合体の構造およびMcm2-7へテロ六量体に対する配置
(a)Sld3-Sld7複合体の類推される構造.
(b)Sld3-Sld7複合体の2分子のMcm2-7へテロ六量体に対する配置のモデル.このモデルにおいては,Sld3は結合したMcm2-7へテロ六量体ではなく,反対側のMcm2-7へテロ六量体にCdc45およびGINS複合体を結合させる.
CBD:Cdc45結合ドメイン,P:リン酸化.
[Download] [hs_figure id=2&image=/wordpress/wp-content/uploads/2016/07/Araki-5.e006-Fig.2.png&caption=fig2-caption-text]
Mcm2-7へテロ六量体が複製開始点へロードされる機構は,出芽酵母において精製タンパク質を用いた再構成系により解析されている.残念ながら,一対のMcm2-7へテロ六量体がどのように複製開始点へロードされるかはまだ完全にはわかっていない.ロードされたMcm2-7へテロ六量体は必ず対になっているため,一対のMcm2-7へテロ六量体がいちどにロードされるのではないかとの説もあったが,1分子観察などによると,まず1分子のMcm2-7へテロ六量体がロードされ,すぐにつぎの1分子のMcm2-7へテロ六量体がロードされており図3 CMG複合体の構造
(a)横から見たところ.
(b)輪切りにしたところ.
[Download] [hs_figure id=3&image=/wordpress/wp-content/uploads/2016/07/Araki-5.e006-Fig.3.png&caption=fig3-caption-text]