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バイオテクノロジー用語集

Amino Acid アミノ酸  多種多用な組み合わせで、タンパク質を形成する20種の分子の集合体。各々のタンパク質は、DNAが独特に暗号化した順序に従い、これら分子の特定配列によって構成されている。

Anaerobic 嫌気性  酸素を必要としない成長又は活動。

Animal 動物  自発的に行動し、刺激に対して直ちに運動反応を示す能力を持つ人間以外の生物。動物は、無脊椎動物(背骨がない動物)と脊椎動物(背骨がある動物)に分類できる。

Antibody 抗体  異物に反応して、免疫系で作られるタンパク質分子で、免疫グロブリンとも呼ばれる。抗体の特徴は、異物を補足する抗原という構造体で、抗体の形成を誘発し、特定の異物を抑制する能力を持つ。(参照:抗原、モノクローナル抗体)

Antigen 抗原  生物体に取り込まれる分子で、異物と認められると、この分子だけを対象とした抗体や感作リンパ球を産生させて、免疫反応を誘発する。(参照:抗体、モノクローナル抗体)

Bacterium(pl. bacteria)バクテリア  球状、棒状、螺旋状又は糸状の単細胞微生物の集合体で、細胞壁又は細胞膜で覆われており、充分分化した核を持たない。

Biotechnology 生物工学  生物又は生命体を用いて、製品の製造又は改造、特定動作の実行、植物又は動物の改良、又は特定目的の微生物を開発する技術。組換えDNAや細胞融合等の新しい技術、及び新しい生物生成工程を含む。(参照:遺伝子工学及び組換えDNA)

Blymphocyte Bリンパ球  脊椎動物の骨髄で作られる特殊な白血細胞で、抗原に接触すると抗体分子を産生して免疫反応を起こす。ハイブリドーマ技術では、この細胞がハイブリドーマに抗体生産能力を与える。(参照:Tリンパ球)


出典:参考資料として掲載する技術評価局の出版物。「遺伝子固有性の理解」、合衆国人体ゲノム.プロジェクト、1991会計年度から1995年会計年度までの第1次5箇年、合衆国健康保健省、健康保険、全国保健協会、合衆国エネルギー省、エネルギー調査局、健康環境調査局、Washington, D.C., 1990年。

Cell 細胞 基本的生態活動を完全に実行できる最小の生命体。ひとつの細胞は複雑な分子の集合体で、自己集合、自己規制、自己再生産の機能を持つ生物学的単位。

Cell culture 細胞培養  生物体から採取した細胞の増殖で、温度や養分等を厳密に調整した無菌の実験環境で行われる。培養した試料をさす場合もある。
(参照:細胞、細胞系)

Cell fusion 細胞融合  ふたつの細胞の細胞膜を接合して、単体の雑種細胞を生成することで、生成した細胞は親細胞の核物質を有する。

Cell line 細胞系  適応過程から人為的実験培養過程を経た細胞試料で、培養でも長期間にわたって成長を続ける能力を有する。(参照:細胞、細胞培養)

Chromosome 染色体  複合DNAタンパク質で構成する細胞核内にある糸状の構造体で、遺伝子等の遺伝物質を持つ。バクテリアでは、細胞の全遺伝情報を含むDNA分子で、他のタンパク質を持たないリング状の単体である。

Cloning クローニング  受精せずに、親と全く同じ生物学的物質の複製を生成する工程。組織培養技術及び細胞培養技術では、試料を成長させて、ふたつ以上の細胞にする工程を言い、組み換えDNA技術では、多種多用な組み換えDNA方法を用いて、DNAの特定遺伝子又は一部分の複製を作る工程を言う。

DNA sequencing DNA配列  DNA内のヌクレオチドの配列を決定すること。

Cultivar 栽培変種  植物ひとつ以上の特性によって、他の植物とは明確に区別される栽培植物をさす国際的専門用語。生殖した場合でも、同じ特性を持つ。合衆国では、栽培多種から派生して、多種を栽培変種植物の同義語と見なす。

Deoxyribonucleic acid(DNA) デオキシリボ核酸  染色体内の分子で、どの生物体でも遺伝情報を格納している。ただし、ある種のウイルスでは、遺伝物質がリボ核酸(RNA)である。DNAで暗号化された情報が、生物体の構造や機能を決定する。

Depositories 保管所  微生物、ウイルス、細胞及び遺伝学的生物学的物質の培養試料を受託、保管、分類及び配付する施設。1983年以降、種子や植物組織の培養試料を受託するようになった保管所もあるが、動物を受託する保管所は現在のところない。保管所には、公設、私設、営利目的又は非営利目的などがある。合衆国では現在、3つの保管所が、特許を目的とした国際保管機関に指定されている。

Dominant 優性  ある形質について、他の対立形質や特性を圧倒する対立形質又は特性。(比較:劣性)

Endogenous 内因性  生物体内部又は生物体内部の原因から発展又は発生すること。

Enzyme 酵素  生細胞が生産する触媒的タンパク質の集合体で、自らは破壊又は変化せずに、化学工程に介在して実行する。

Gamete 配偶子  成熟した生殖細胞(一組の染色体)で、異性の同種細胞と接合して接合体を作る。性細胞とも呼ばれる。

Gene 遺伝子  DNA分子を構成する遺伝の基本的、物理的、機能的単位で、ヌクレオチドの塩基対を整然と配列しており、特定の物質を生産したり、特定の機能を発揮する。

Gene family 遺伝子系  機能及びヌクレオチド塩基の配列において、高度な相同性を持つ関連遺伝子の集合体。

Gene mapping 遺伝子地図  染色体に関して、異なる遺伝子の相対的位置を特定すること。

Gene pool 遺伝子給源  育種個体群に占める遺伝子の総量。

Gene probe 探査遺伝子  既知の構造や機能を持つ分子で、ゲノムの特定域やヌクレオチド配列を探査して特定するために用いる。一般に、染料又は放射性物質のようなトレーサー物質でラベルされたcDNAの断片である。

Genetic code 遺伝暗号  DNA又はRNAがタンパク質に翻訳する情報を、化学的サブユニットを通して伝達するコード暗号。遺伝暗号は、コドンという3個のヌクレオチド集合体で読まれ、各コドンは単一のアミノ酸を特定する。(参照:ヌクレオチド)

Genetic engineering 遺伝子工学  生物体から遺伝子を取り出し、実験室で加工した後に、その加工物を他の生物体に安定的に挿入する技術で、組換えDNA法を含む。(参照:組換えDNA、生物工学)

Genetic linkage map 遺伝連鎖地図  染色体上の遺伝子の相対位置関係を直線上に示す地図。遺伝子間の組換え頻度を求める方法により作成される。

Genetic variance 遺伝型変異種  個体群の遺伝子構成の違いによる表現型変異種の一部。(比較:表現型変異種)

Genome ゲノム  単相生物体の遺伝子にコード化された遺伝内容。真核生物では、一組の染色体。

Genome projects ゲノム・プロジェクト  ヒト又は他の生物体の一部又は全部のゲノムを、地図化又は配列決定することを目的とする研究及び技術開発活動。

Genotype 遺伝型  生物体に含まれる遺伝情報の総量検討対象のひとつ又は若干の座位に関する生物体の遺伝子構成。(比較:表現型)

Harvard mouse ハーバード鼠  遺伝子を工学的に組み替えた鼠で、ハーバード大学が開発し、1988年4月に動物としては最初の特許権を取得した。ハーバード鼠は、癌に非常に罹患しやすいように改造され、発癌物質の試験や癌治療のために開発したものである。

Horizontal transfer 水平転移  遺伝物質が、ある生物体から他の生物体に、無生殖で転移すること。

Human Genome Initiative ヒトゲノム構想  ヒトゲノムの地図と配列の作成を目標とする構想で、1986年に最初の公式概要が発表された。

Hybrid 雑種  遺伝形質を異にする2種類の植物又は動物を交配して生まれたもの。

Hybridization 雑種形成  細胞培養において、異なる親細胞の全部又は一部を接合して、新しい細胞を形成すること。組換えDNAでは、一本鎖の核酸が同一又はほぼ同一の配列と結合して、二本鎖の核酸を形成する過程。

Hybridoma 雑種細胞  特定の型を有する不滅の腫瘍細胞系(骨髄腫細胞)と、抗体を生産するBリンパ球を接合して作る新しい細胞。この種の細胞を培養すると、成長を続けて、モノクローナル抗体等の特定の抗体を産生する。

Ice-minus(ice−) アイスマイナス  物理的核となって氷晶を形成するタンパク質の暗号遺伝子を持たないバクテリア。この遺伝子は、Pseudomona syringae, Pseudomonas fluorescens及びErwinia herbicolaといった株では欠損している。

Immunization 免疫法  抗原を生物体に注入して、抗体の生産を含む免疫反応を起こすこと。

Intellectual property 知的所有権  特許権、著作権、商標、営業機密及び植物変異種の保護に関する法律分野。

Invention 発明  研究及び実験の結果開発したオリジナルな工夫、新案又は工程。合衆国では、遺伝子操作した動物、植物及び微生物は、生物学的発明の特許対象に認定されているが、外国では、特に動物に関して認定されない場合がある。

In vitro 試験管内  文字どおり「ガラス管内」で、生物体から取り出した生体外で物を測定、観察又は生産する工程、試験又は方法。

Lympbocytes リンパ球  Bリンパ球及びTリンパ球を参照。

Lymphokine リンフォカイン  免疫反応を調節する一群のタンパク質で、免疫系全体を正しく機能させるために必要である。インターフェロンとインターロイキン2はリンフォカインである。

Macrophage マクロファージ  単核細胞で、義足を出して運動する。酵素を多く持ち、異物を食べてしまう。高等動物では特異的免疫にも重要な役割を演じる。

Microinjection 顕微注射  ある細胞から他の細胞に遣伝子を挿入するときに用いる技術で、対象となる特定遺伝子の高純度の複製を細胞に注入する。対象となる特定遺伝子の複製は、受精した動物の卵子にも注入することができ、卵子は外科的方法によって雌の生殖器官に移植する。

Monoclonal antibodies モノクローナル抗体  単一特定の抗原を識別する同型の抗体で、特殊細胞のクローニングで産出する。この種の分子は、雑種細胞から商業生産されている。(参照:抗体、抗原、雑種細胞)

Myeloma 骨髄種(ミエローマ)  抗体産出細胞の悪性腫瘍で、雑種細胞技術では、腫瘍細胞を馴化培養して、雑種細胞系の不滅化に使用している。

Natural selection 自然淘汰  再生産的分化がうまくゆく過程で、世代が進むにつれ、子孫を繁栄させるか否かに従って、個体群の遺伝子がしばしば増加又は減少する。ダーウィンが発見し1858年から59年にかけて記述した進化論では、自然淘汰が最も重要な部分である。

Novelty 斬新性  特許申請を審査する場合の基準のひとつ。斬新性を認められるためには、審査対象の発明又は発見が全く新しいもので、他者の研究等によって過去に存在していたものではいけない。

Nucleic acid 核酸  ヌクレオチド塩基の配列で構成する巨大分子。DNA又はRNA。

Nucleotide(base) ヌクレオチド(塩基)  核酸の単位で、分子は、アデニン、グアニン、シトシン又はチミン/ウラシル(DNA/RNA)の4つの塩基の何れかが、燐酸糖基に結合して構成されている。糖基は、DNAではデオキシリボース、RNAではリボースである。

Nucleus 核  細胞内の膜で囲まれた構造体で、染色体を含む。

Organelle 細胞器官  細胞質内の構造体。超構造及び生化学的構成を持ち特定の機能を果たしている。(例えば、ミトコンドリア、内部原形質網状構造、葉緑体等)

Phenotype 表現型  遺伝型と環境の相互作用によって産生した生物体の観察可能な特徴。(比較:遺伝型)
Phenotypic Variance 表現型変異種  外観が遺伝子的に同一だが外観が異なる生物体の変異種で、生成中に環境と遺伝型が相互に作用して発生する。(比較:遺伝型変異種)

Physical map 物理地図  制限酵素切断箇所、遺伝子、RFLPマーカー等、DNAの特定可能な位置を示す地図。コンチグと呼ばれる重複クローンの一組をさす場合もある。距離は塩基対で測定する。ヒトゲノムに関しては、最低解像度の物理地図は、24個の異なる染色体を束ねたパターンになる。最高解像度の地図では、染色体の完全なヌクレオチド配列となろう。

Plasmid 核外遺伝子  細胞質内にあるDNAの環状核外染色体で、元の染色体とは独立して自己増殖、自己分離ができる。(参照:ベクター)

Polymerase chain reaction(PCR) 重合連鎖反応  小さなDNA断片を短期間のうちに数百万倍以上に正確に且つ迅速に増殖する酵素反応で、1個のDNA分子からも反応を開始できる。

Protein タンパク質  DNAの遺伝子配列で決定された特定の配列に従って、結合された数個から数百個のアミノ酸で構成する分子。この分子は、全ての生物体の構造と機能に不可欠である。

Recessive 劣性  優性の形質がない場合にのみ現れる対立形質や特性。
(比較:優性)

Recombinant DNA(rDNA) 組換えDNA  生物体遺伝物質の人為的操作を含む広範な技術。この技術及びこの技術から生まれた製品は、多種多用な産業における新製品の開発や改良に、相当な潜在的可能性を秘めている。しばしば遺伝子工学の同義語として使用される。また、異なる個体又は種由来のDNAに、遺伝子工学技術で手を加えてできたDNA分子を言う場合もある。

Restriction endonuclease 制限エンドヌクレアーゼ  バクテリアから分離した酵素で、二本鎖のDNAを選択的に識別して、特定の配列で切る。400以上の制限酵素が、100以上のDNA配列を識別することが知られている。

Restriction enzyme 制限エンドヌクレアーゼを参照。

Restriction fragment length polymorphism(RFLP) 制限酵素断片長多型
特定の制限酵素に接触したDNAの特定部分から切り取ったDNAの断片には、ふたつ以上の異形が存在する。制限酵素識別箇所における遺伝的変異のために、これらの断片は長さが異なる。(参照:物理地図、制限エンドヌクレアーゼ)

Retrovirus レトロウイルス  ウイルスの一種で、その遺伝物質はRNAであり、感染における逆転写酵素が特徴である。腫瘍ウイルスとも言う。

Reverse transcriptase 逆転写酵素  RNAを鋳型として、一本鎖のDNAを産出する能力を持つ酵素。

Ribonucleic acid RNAを参照。

RNA(ribonucleic acid)リボ核酸  伝達RNA、転移RNA及びリボゾームRNAの何れかの形態で存在する核酸。生物体がコード化した遺伝情報(即ちDNA)をタンパク質に翻訳する役目を持つ。ある種のウイルスの遺伝物質である。

Selective advantage 選択有利性  生物体の遺伝的特性を備えた増殖及び生殖の確率が増えること。

Sequence-tagged site(STS) 配列目印箇所  地図上の遺伝子や他のマーカーを特定する短いDNA配列。この配列の順番と間隔でSTS地図が出来上がる。

Species 種  多くの異なる特性や特質に関して、見た目の違いで識別される増殖可能な集団や個体群。

Species barrier 種の壁  異なる種の間には自然の壁があり、個別に種の完結性と独自性を保存しているという考え方で、生物学上の根拠はない。種の範囲や変異を限定するパラメータは常時変化し、種は分離した生物としてではなく、増殖可能な集団として存在する。

Species integrity 種の完結性  種は一個の生物単位として完結しているという考え方で、種が引き継ぐ遺伝物質の独自性に基づくものと思われる。しかし、遺伝学的に種をどのように定義するのか不明確で、種の属性を研究する者の間で論点になっている。

Strain 同族  種内部の生物体の純粋培養で、ひとつ又はそれ以上の物理的又は遺伝的性質で特徴づけられるもの。(参照:栽培変種植物)

T lymphocyte Tリンパ球  脊椎動物の免疫反応に関わる特殊な白血球細胞で、骨髄で産出し、胸腺で成熟し、ある種のリンフォカインを生成する。Tリンパ球の亜綱は、抗体の生産と免疫反応の増強又は抑制に重要である。(参照:Bリンパ球、マクロファージ)

Tissue culture 組織培養  細胞培養を参照。

Tissue plasminogen activator(tPA) 組織プラスミーノゲン活性剤  タンパク質の薬剤で、心臓疾患患者の凝固血液溶解を助ける。

Transgenic animals 遺伝子転移動物  実験室で組換えDNA技術を用いて、親の生殖質ではなく、通常他の動物やヒト由来のDNAを加えて遺伝的DNAを増量した動物。現在のところ、この分野のほとんどの研究では鼠を用いているが、遺伝子転移動物改造研究では、主に牛、豚、羊、鶏、兎及び魚を対象としている。

Vector ベクター  運搬又は転送物質。組換えDNA技術の関係では、ベクターは外来DNAを宿主細胞に挿入するために用いるDNA分子である。組換えDNAのベクターには、プラスミド、バクテリオファージ等の形態のDNAが含まれる。

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