1.概要
遺伝子組換え微生物を用いて製造された食品のリスクアセスメントを実施するためのガイドラインで、既にまとめられている遺伝子組換え植物の安全性評価と共通の部分はその考えをほぼ適用し、微生物独自の問題を掘り下げてまとめた。

2.本書の位置付け
遺伝子組換え微生物を用いた食品の開発は進んでおり、そのような食品の安全性評価を進める必要性が望まれている。近い将来の上市に向けての有力なガイドラインである。

3.主要な結論
 遺伝子組換え微生物を用いた食品の安全性評価の実施において、コーデックスで既に採択した遺伝子組換え植物由来食品の安全性評価のうち、共通の部分はそのまま適用し得るが、微生物特有の問題については、微生物の繁殖が盛んなこと、比較的短期間に遺伝子変化を起こすこと,微生物組換え体が腸管内でなんらかの作用を及ぼしたり、微生物間で遺伝子の移行をしたりする可能性などである。腸内で起こっている現象が科学的に充分解明されておらず明確な規定が難しいなどの複雑な問題が残されているが、CTFBTでは現時点で利用できる科学的根拠に則って安全性評価を行うこととした。
このガイドラインは、4節、60のパラグラフからなる。