1.概要
本書は、米国科学振興協会(AAAS)の1985年度年次会合の際に開催されたシンポジウムの記録である。このシンポジウムでは、環境中への遺伝子改変生物の放出に関する安全性及び適切性(desirability、妥当性)について、科学、経済、社会、法規制といった様々な観点から議論が行われた。
本の目次を以下に示す。
・序章
・第一部 歴史的経緯
1.生物学的革命:バイオテクノロジーのツールと産物
2.遺伝子スプライシングの環境中への放出:意図的放出をめぐる論争の社会歴史的背景
3.NIHガイドラインと遺伝子改変植物・微生物の屋外試験
・第二部 環境中への放出―生態学的問題
4.バイオテクノロジーの評価における移入種モデルの適用
5.改変遺伝子の感染性拡散
6.バイオテクノロジーによる環境影響の評価:生態学の貢献
・第三部 バイオテクノロジーの未来―6つの展望
7.安全で有用なバイオテクノロジー: 科学的専門技術の動員
8.バイオテクノロジーにおける市民参加へ向けて
9.バイオテクノロジー開発における政策的課題に関する産業界の考え方
10.バイオテクノロジーのリスク評価及びリスク管理に関する連邦政府の活動
11.バイオテクノロジーと公共目的:連邦議会におけるバイオテクノロジーに関する公共的議題
12.バイオテクノロジーの商業開発に伴う国内の政策課題の見直し
・執筆者について

2.本文献の位置づけ
 本書は、遺伝子組換え生物が及ぼす不合理な悪影響から環境を適切に保護する一方、様々なバイオプロセスの産業利用の進展をどのように促進するかに焦点を当てたものであり、これに関わる諸問題について経緯や現状を記述し、考察を行っている。

3.主要な結論
 本書は、環境中への放出を目的とした遺伝子操作生物の最も適切な利用をめぐる議論の中で、最も顕著な重要点が何であるかを示した。