1.概要  この報告書は、国際食品バイオテクノロジー委員会とILSI免疫科学研究所が共同でまとめ、1996年のFAO/WHO合同専門家会議で、アレルギー誘発性の評価に関する議論のたたき台となったレポートである。
 この報告書は以下の章を各専門家が執筆し、アレルギーの仕組みから、この時点までに報告のあったアレルゲンについてのまとめを記載し、遺伝子組換え食品のアレルギー誘発性の評価方法の提言をおこなった。
第1章 アレルギー疾患序論
第2章 食物に対するアレルギー反応
第3章 植物タンパク質の生物学
第4章 食物中タンパク質の遺伝子改変
第5章 アレルギー誘発性食物 
第6章 食物アレルゲンの原則と特徴
第7章 食物アレルゲン
第8章 遺伝子組換え作物より作られた食品のアレルギー誘発性に関する評価

2.本文献の位置づけ
 FAO/WHO合同専門家会議やコーデックス食品バイオテクノロジー特別部会でのアレルギー誘発性評価法の議論のベースとなった判断樹を提案し、会合での早期合意に寄与した。

3.主要な結論
遺伝子組換え食品について、その潜在的なアレルギー誘発性を評価する合理的手法として、導入された遺伝子の起源、アミノ酸配列の既知アレルゲン遺伝子との相同性、in vitro及び in vivoでの免疫学的分析結果ならびに導入遺伝子産物の物理化学的特性をもとに、判断樹を用いて検討する方法が考案された。この総合的評価によって、遺伝子組換え食品が従来のものと同等であることが公正に確認され、万一アレルゲンが導入されたとしても適正な表示を行うことで、アレルギーをもつ消費者がそれを避けられることが強調されている。