1 概要
 遺伝子改変魚介類の開発者に対して生態学的および進化学的な安全性評価を助けるものとして作成されている。主要な部分はフローチャートの形で作成されており、これを助けるものとしてテキストがつけられている。まず、リスク評価のフローが示されており、その後に、リスク管理が必要となった場合に採用しうるリスク管理手法が示されている。
2 本文献の位置づけ
 本文献は米国農務省の農業バイオテクノロジー研究諮問委員会が、外部からのコメントも取り入れて、任意の実施基準として作成したものである。遺伝子改変魚介類の研究については、現在、農務省の所管とは認識されておらず、そのためのこの基準自体は全く行政的な役割を持っていない。しかし、遺伝子改変魚介類の環境に対するリスク評価の考え方やリスク管理の方法について具体的に扱っている文献として、貴重なものといえる。
3 主要な結論
 魚介類の研究においては、野生のものか、これに近いものが用いられることが多い。また、米国は多種魚介類の多様性の中心でもある。また、天然の魚介類は経済的にも重要である。従って、遺伝子改変魚介類の研究において環境安全性を顧慮することは極めて重要である。しかし、ある種のものについては、現在の知識ではその研究が環境に対して安全であると明確に判定することができない。この実施基準は、重要な知識ギャップを埋めるための研究を安全に実施することを奨励するものでもある。